遺品整理をスムーズに進めるコツ！ 事前準備・必要なもの・トラブル回避術
遺品整理を始めるとき、多くの人が「何から手をつければいいのか」と悩みます。大切な人を亡くしたばかりの状況で、気持ちの整理もつかないまま、物理的な片付けに向き合うのは簡単ではありません。特に、思い出の詰まった品々を前にすると、手が止まってしまうことも少なくありません。
しかし、遺品整理をスムーズに進めるためには、計画的な進め方が重要です。事前に準備するものを揃え、分類のルールを決めておくことで、作業の負担を軽減できます。また、遺族間のトラブルを防ぐためにも、形見分けのルールや処分の方針を事前に話し合うことが大切です。さらに、時間がない場合や、大量の遺品がある場合は、専門の遺品整理業者を利用するのも一つの選択肢となります。
私は遺品整理業者として、多くのご家庭の片付けに携わってきました。その中で、「片付けの順番を決めるだけでスムーズに進んだ」「事前に家族と話し合ったことでトラブルを回避できた」といった声を数多く聞いています。この記事では、そうした経験をもとに、遺品整理をスムーズに進めるためのコツや、事前準備のポイントを詳しく解説します。
- 遺品整理の基本｜何から始めるべきか？
- 遺品整理の事前準備｜必要なものを揃える
- スムーズに進めるためのコツ
- 遺品整理でやってはいけないNG行動
- 遺品整理業者の活用｜プロに依頼するメリットと注意点
- まとめ：「遺品整理は計画的に、無理なく進める」
この記事は、次のような方におすすめです。
- 遺品整理を始めたいが、何から手をつけるべきかわからない方
- 家族とのトラブルを避けながら、スムーズに整理を進めたい方
- 自分で片付けるか、業者に依頼するか迷っている方
1．遺品整理の基本｜何から始めるべきか？
遺品整理は精神的にも体力的にも負担の大きい作業です。何から始めるべきか分からずに途方に暮れる人も少なくありません。しかし、基本的な流れを理解し、計画を立てて進めれば、スムーズに整理できます。このセクションでは、遺品整理の大まかな流れと、自分で行う場合と業者に依頼する場合の違いについて解説します。
遺品整理の流れ
遺品整理を始める際は、事前に全体のスケジュールを決めることが大切です。突然すべてを片付けようとすると、感情的になったり、途中で疲れてしまったりして、作業が進まなくなることがあります。以下の手順を参考に進めていきましょう。
① スケジュールを決める
いつまでに片付けるのかを明確にし、無理のない計画を立てます。たとえば、四十九日までに必要最低限の整理を行い、残りは半年～一年をかけて片付けるといった形です。
② 必要なものを準備する
ゴミ袋や段ボール、軍手、マスクなどの整理用品を用意します。また、シュレッダーを準備しておくと、個人情報が含まれる書類を適切に処理できます。
③ 重要なものを先に探す
通帳や権利書、保険証券、貴重品など、手続きに必要なものを最優先で探します。特に相続に関わる書類は、後のトラブルを防ぐためにも慎重に扱うことが重要です。
④ 仕分けをしながら片付ける
「残す」「供養する」「寄付する」「買取する」「処分する」といった分類ルールを決めて、整理を進めます。この段階で家族と相談しながら進めることで、後のトラブルを防ぐことができます。
⑤ 必要に応じて供養や買取を依頼する
思い入れのある品を供養するか、リサイクルや買取に出すかを決めます。特に、仏壇や位牌、写真などの扱いには注意が必要です。
自分でやる場合と業者に依頼する場合の違い
遺品整理は、自分で進めることもできますが、状況によっては専門業者に依頼するのが適している場合もあります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
| 自分でやる場合 | 業者に依頼する場合 | |
|---|---|---|
| メリット | 費用がかからない / 思い出を振り返りながら整理できる | 時間と手間を省ける / 大量の遺品を短期間で整理できる |
| デメリット | 体力的・精神的な負担が大きい / 片付けに時間がかかる | 費用がかかる / 信頼できる業者を選ぶ必要がある |
| 向いている人 | 自分のペースで片付けたい人 / 費用を抑えたい人 | 遺品の量が多い人 / 遠方に住んでいて片付けが難しい人 |
家族の状況や遺品の量を考慮しながら、どちらの方法が適しているか検討しましょう。
2．遺品整理の事前準備｜必要なものを揃える
遺品整理をスムーズに進めるためには、事前に準備を整えておくことが大切です。作業を始めてから「必要な道具が足りない」「分類方法が決まっていない」となると、途中で手が止まり、効率が落ちてしまいます。このセクションでは、遺品整理に必要な道具と、スムーズに進めるための分類ルールについて解説します。
準備する道具リスト
遺品整理では、さまざまな物を扱うため、作業しやすい環境を整えることが重要です。以下の道具を事前に用意しておくと、スムーズに進められます。
✅ ゴミ袋（分別用）：燃えるゴミ・燃えないゴミ・資源ゴミに分けられるよう、複数用意する
✅ 段ボール・収納ケース：形見分けするものや保管するものを整理するために使用
✅ 軍手・マスク・掃除道具：ほこりや汚れが多いため、清掃用具も用意しておく
✅ シュレッダー：個人情報が記載された書類を適切に処分するために必要
✅ ラベルシール・マジックペン：分類した箱や袋に内容を記入するために活用
これらを揃えておくことで、作業の効率が大幅に向上します。
分類ルールを決めておく
遺品整理では、物の仕分けが最も時間のかかる作業になります。そのため、事前にルールを決めておくとスムーズに整理が進みます。基本的には、以下の5つのカテゴリに分類すると分かりやすくなります。
- 残す（家族が引き継ぐもの）
- 供養する（仏壇・位牌・遺影・お守りなど）
- 寄付する（衣類・本・家具・使える家電など）
- 買取する（価値のある品物・ブランド品・貴金属など）
- 処分する（上記以外の不要なもの）
この分類を家族と共有し、基準を統一することで、作業中の判断がスムーズになります。特に「供養が必要なもの」「買取できるもの」については、後で後悔しないように慎重に決めることが重要です。
3．スムーズに進めるためのコツ
遺品整理は、ただ片付けるだけではなく、精神的な負担も大きい作業です。思い出の詰まった品々を前にすると、作業が進まなくなってしまうことも少なくありません。しかし、計画的に進めることで、効率よく整理を進めることができます。このセクションでは、遺品整理をスムーズに進めるためのコツを紹介します。
片付ける順番を決める
遺品整理を進める際、どこから手をつけるか迷うことがあります。無計画に始めると、途中で混乱してしまうことも。そこで、片付ける順番を決めておくと、作業がスムーズになります。
おすすめの片付け順番
-
収納スペース（押し入れ・クローゼット）から始める
- 収納されているものは比較的感情的な影響を受けにくく、判断しやすい
- まずは不要なものを処分し、スペースを確保する
-
リビングやキッチンなどの共用スペース
- 生活用品や食器類は比較的判断がしやすい
- 使わないものを処分し、残すものを整理
-
故人の部屋や思い出の品は最後に
- 写真や手紙などは感情的になりやすいため、最終段階で整理
- 形見分けのルールを決めた上で、家族と相談しながら進める
この順番で進めることで、作業を効率的に進められます。また、収納スペースを先に片付けることで、整理したものを一時的に収納しやすくなります。
家族間のトラブルを防ぐためのルール作り
遺品整理では、家族間の意見が合わず、トラブルに発展することがあります。「捨てたくない」「形見分けの方法が分からない」「勝手に処分された」といった問題が起こるのを防ぐために、事前にルールを決めておくことが重要です。
家族間で話し合うべきポイント
-
貴重品・形見分けのルールを決める
- どの品物を誰が引き継ぐのかを話し合う
- 遺品をリストアップし、公平に分配する
-
勝手に処分しない（確認作業を徹底）
- 処分する前に家族に確認を取る
- 特に思い出の品は、家族全員で話し合う
-
感情的にならず、冷静に話し合う
- 故人の思い出が詰まった品は、意見が分かれることが多い
- 時間をかけて丁寧に話し合い、納得した上で整理する
遺品整理は、家族の絆を深める機会にもなります。お互いの気持ちを尊重しながら、慎重に進めていきましょう。
4．遺品整理でやってはいけないNG行動
遺品整理は大切な人を偲びながら行うものですが、感情のコントロールが難しい場面もあります。そのため、やり方を間違えると「片付けが進まない」「後悔が残る」「家族とトラブルになる」といった問題が発生することがあります。ここでは、遺品整理で避けるべきNG行動を紹介します。
感情的になってしまい、全く進まない
遺品整理では、故人の思い出の品に触れることで、作業がストップしてしまうことがあります。写真や手紙、愛用していた品を見ると、悲しみが込み上げ、手が止まってしまうのは自然なことです。しかし、そのままでは片付けが進みません。
対策
- 「思い出の品は最後に整理する」ルールを決める
- 先に生活用品など感情的になりにくいものから片付ける
- 時間を決めて作業を進める
- 1日◯時間だけと決めて、集中する
- 写真や手紙は一時保管し、落ち着いたら見直す
- 後で形見分けするか、デジタル化して残す
感情的になるのは当然ですが、無理に整理しようとせず、少しずつ進めることが大切です。
なんでも捨てる・なんでも残す
遺品整理を進める際、極端な行動に走ってしまうことがあります。「すべて捨ててしまう」「逆に、すべて残してしまう」のは、どちらも良くない結果を招きます。
捨てすぎると…
- 価値のある品まで処分してしまう可能性がある
- 形見分けの機会を失い、後で家族が後悔することがある
残しすぎると…
- 家が片付かず、整理が進まない
- 結果的に遺品整理が後回しになってしまう
対策
- 「残す」「供養する」「寄付する」「買取する」「処分する」の5分類で整理する
- 捨てる前に家族と相談し、慎重に判断する
- 思い出の品は、一度「保留ボックス」に入れて後で判断する
極端にならず、冷静に判断しながら進めましょう。
買取や寄付の選択肢を考えずに処分する
遺品整理では、多くの物を処分することになりますが、その中には「売れるもの」や「寄付できるもの」もあります。安易にすべて捨ててしまうと、貴重な品を無駄にすることになります。
買取・寄付が可能なもの
- ブランド品・貴金属（バッグ、時計、ジュエリーなど）
- 家電製品（まだ使える冷蔵庫、洗濯機、テレビなど）
- 骨董品・アンティーク（古美術品、陶器、掛け軸など）
- 衣類・本・家具（寄付できる団体もある）
対策
- 事前に買取可能な品をリストアップする
- 専門業者やリサイクルショップに査定を依頼する
- リユース団体やNPOへの寄付も検討する
不要なものでも、誰かにとっては必要なものかもしれません。できるだけ有効活用することで、故人の思いを大切にできます。
5．遺品整理業者の活用｜プロに依頼するメリットと注意点
遺品整理は自分で行うこともできますが、量が多かったり、遠方で作業が難しかったりする場合は、専門の遺品整理業者を利用するのも一つの方法です。プロに依頼することで、短期間で整理が完了し、体力的・精神的な負担を軽減できます。ただし、業者選びを誤るとトラブルの原因になるため、慎重に選ぶことが重要です。このセクションでは、遺品整理業者を活用するメリットと、依頼時の注意点を解説します。
遺品整理業者に依頼するメリット
専門業者に依頼することで、次のようなメリットがあります。
✅ 時間と労力を節約できる
遺品整理には多くの時間と労力が必要です。業者に依頼すれば、数時間～1日で作業が完了するため、負担を大幅に軽減できます。
✅ 大量の遺品をスムーズに処理できる
家一軒分の遺品を自分で整理するのは大変な作業です。プロなら効率的に分類・搬出し、適切に処分できます。
✅ 供養・買取・リサイクルにも対応
仏壇や写真の供養、価値のある品の買取、リサイクルなど、個人では対応が難しい部分もサポートしてくれます。
✅ 相続手続きのアドバイスが受けられる場合も
信頼できる業者の中には、相続に関するアドバイスや、士業（弁護士・税理士など）と連携して手続きをサポートする会社もあります。
遺品整理業者を選ぶ際の注意点
遺品整理業者の中には、悪質な業者も存在します。料金トラブルや不適切な処分を避けるために、依頼前に以下のポイントをチェックしましょう。
✅ 料金体系が明確か確認する
「作業後に追加料金を請求された」といったトラブルを防ぐため、事前に見積もりを取り、明確な料金体系を確認しましょう。
✅ 一般廃棄物収集運搬の許可を持っているか
遺品の処分には法律上のルールがあり、不法投棄を防ぐためにも、適切な許可を持っている業者を選ぶことが重要です。
✅ 口コミや評判をチェックする
実際に利用した人の口コミや評判を確認し、信頼できる業者かどうか判断しましょう。自治体や消費者センターの情報も参考になります。
✅ 無料見積もりや事前相談ができるか
優良な業者は、無料見積もりや相談に対応してくれます。事前にスタッフと話すことで、対応の良し悪しを見極められます。
遺品整理業者の料金相場
遺品整理業者の料金は、作業内容や遺品の量によって異なりますが、ゼロプラスの料金体系を参考にすると、以下のようになります。
| プラン | 間取りの目安 | 特徴 | 料金相場 |
|---|---|---|---|
| 軽トラックパック | 1R・1K程度 | 一人暮らしの大掃除、家具の処分など | 29,800円～ |
| 平車パック | 1K～1DK程度 | 一人暮らしで大量に不用品がある場合 | 89,800円～ |
| 2tホロ車パック | 1LDK～2K程度 | 大型家具・家電の処分を伴う大掃除 | 119,800円～ |
| 2t箱車パック | 2K～2LDK程度 | 2人暮らしで大量の不用品がある場合 | 139,800円～ |
| 4t箱車パック | 3LDK～5LDK程度 | ゴミ屋敷の片付けなど、大量の不用品整理 | 239,800円～ |
コストを抑えるポイント
✅ 買取サービスを活用する
遺品の中には、買取可能な品も多くあります。ブランド品、家電、貴金属などを事前に査定してもらうことで、整理費用を軽減できます。
✅ 不用品の仕分けを事前に行う
自分である程度仕分けを行い、業者には運搬・処分のみを依頼することで、コストを削減できます。
✅ 複数の業者に見積もりを依頼する
1社だけではなく、複数の業者に見積もりを依頼し、サービス内容や料金を比較することで、より良い条件で依頼できる可能性が高まります。
遺品整理業者を選ぶ際は、料金だけでなく、サービス内容や口コミも確認しながら慎重に選びましょう。
まとめ：「遺品整理は計画的に、無理なく進める」
遺品整理は、精神的にも体力的にも負担が大きい作業です。しかし、計画的に進めることで、スムーズに整理を進めることができます。
遺品整理を成功させるポイント
✅ 事前準備をしっかり行う
必要な道具を揃え、片付けのルールやスケジュールを決めることで、無駄な手間を省けます。
✅ 片付ける順番を決めて進める
収納スペースから始め、最後に思い出の品を整理することで、感情的な負担を軽減できます。
✅ 家族間のトラブルを防ぐ工夫をする
形見分けのルールを話し合い、勝手に処分しないようにすることで、後々のトラブルを避けられます。
✅ 捨てるだけでなく、供養・寄付・買取の選択肢を考える
不要なものの中には、再利用できるものもあります。供養、寄付、買取などを活用することで、故人の思いを大切にできます。
✅ 業者の力を借りるのも一つの方法
自分で整理するのが難しい場合は、信頼できる遺品整理業者に依頼することで、負担を大幅に軽減できます。
無理をせず、自分や家族に合った方法で、遺品整理を進めていきましょう。
