老後の住み替えのポイントは? 老後にぴったりな住まいの見つけ方
「老後の住み替えをいつすべきなのか」「どのように進めたら良いのか」など、老後の住み替えについて悩んでいる方が多いのではないでしょうか。まずは、理想的な老後を送る「場所」を選ばなければなりません。それから、整理整頓・断捨離・ハウスクリーニングなど住み替える前にやるべきことがたくさんあります。スムーズに老後の住み替えを行うためには、ポイントを知ることが大切です。そこで、本記事では、老後の住み替えに関して知るべき内容を一挙解説します。
この記事を読むことで、スムーズに老後の住み替えを行うためのポイントが分かります。検討している方は、ぜひチェックしてください。
1.老後の住み替えを考えるきっかけは?
老後の住み替えを考える主なきっかけについて詳しく説明しましょう。
1-1.子どもの独立
老後の住み替えを考える最も多いきっかけは「子どもの独立」です。子どもが独立すると夫婦2人だけの生活になり、現在住んでいる家では広すぎると住み替えを考えることがあります。家が広いと掃除や管理も大変なので、今後の暮らしを考えた上で住み替えを検討する方が多いのでしょう。子どもの独立は、老後に向けた生活の分岐点の1つとなります。
1-2.家の老朽化
「子どもの独立」の次に多いきっかけが、「家の老朽化」です。不動産・住宅に関する総合情報サイト「SUUMO(スーモ)」が、シニア世代を対象にしたアンケート調査の結果、「家の購入から住み替えまでの期間が20年以上」という人が約半数以上となりました。20年以上経過していると建物そのものが古くなり、リフォームが必要になるケースがほとんどです。しかし、リフォームにもお金がかかるので、理想の暮らしを考えた上で住み替えを視野に入れる方が増えています。
1-3.バリアフリー
老後のことを考えた結果、バリアフリーなど安全性のある住まいに移るケースもあります。年を重ねるごとに体力が衰え体の自由がきかなくなるため、できれば段差のない住まいで安全に暮らしたいですよね。また、「体調を崩しがちでバリアフリーでないと心配」「今の家の段差で不安な点がある」など、悩みを抱えている方が住み替えを考えるケースもあります。
1-4.生活の利便性
「今よりも利便性の良い場所に住みたい」という理由も多いでしょう。年を重ねると車の運転が難しくなる可能性があります。将来、安心して生活するために、病院や郵便局・コンビニ・スーパーなどが徒歩圏内にある場所に生活拠点を移しておきたいものです。
2.住み替え場所を選ぶポイント
老後を過ごす場所選びの大切なポイントを押さえておきましょう。
2-1.マンションか一戸建てか
まずは、「マンション」または「一戸建て」のどちらかにするのか選びます。「SUUMO」の調査によると、住み替え先にマンションを選ぶケースが多いことが分かりました。多くの方が、広い一戸建てから部屋数の少ないマンションに住み替える様子が想像できます。マンションと一戸建てのメリット・デメリットを以下にピックアップしたので、ぜひ参考にしてください。
<マンション>
- メリット:戸締まりが簡単、専有部・共有部どちらも段差が少ない、掃除が簡単など
- デメリット:管理費・修繕積立金などのランニングコストがかかる、上階や隣の音が気になる場合がある、ペットが飼えないなど制約がある
<一戸建て>
- メリット:建て替え・増改築が自由にできる、管理費がかからないなど
- デメリット:2階建ての場合は上り下りが大変、庭の手入れに手間がかかる、修繕はすべて自己責任
2-2.どのエリア・場所にするか?
住み替え先を考える場合は、以下のポイントに注目すると良いでしょう。
- 日常の買い物・医療・福祉など生活施設が充実しているか
- 利便性の高い立地か
- 災害時の避難がしやすいか
- 最寄り駅から近い場所か
- 治安・犯罪の少ない場所か
以上の中でも特に重視してほしいのが、「生活施設の充実さ」と「利便性の高い立地」です。高齢になると行動範囲が狭くなるため、生活施設や駅が近くにある場所が良いでしょう。
2-3.広さは?
子どもが独立して夫婦2人きりの生活になれば、最低限の部屋だけで過ごすことができます。実際に、住み替えた後の部屋数は以前よりも減ったという方がほとんどです。居住空間が広くなるほど掃除の手間がかかり、メンテナンスもお金がかかります。広さよりも、使いやすく快適な空間かどうか考えるのがポイントです。
2-4.設備関係は?
老後の住み替え場所を選ぶ際は、「バリアフリー」であることが大切です。段差がないのはもちろんのこと、バスルームやトイレ・玄関などに手すりがついているか、浴槽の高さが低いかにも注目してください。また、必要となったときに手すりの取りつけが可能かも確認しておきたいところです。ペットを飼う予定があれば、ペット可物件かもチェックしておかなければなりません。
2-5.ライフスタイルに合った間取り
住み替え先を選ぶ際は、自分のライフスタイルに合った間取りを考えてみてください。たとえば、ガーデニングが趣味の場合は、そのスペースが確保できる庭やベランダのある場所が良いでしょう。どのような老後を過ごしたいのか、住み替え先でどんな生活を送りたいのか考えることが大切です。
2-6.シニア向け住宅の選択もある
今後、少子高齢化で高齢者の数がどんどん増えていきます。そのため、少しずつ「シニア向け住宅」が増えており、老後の住まいとして検討する方も多いようです。シニア向け住宅には、シニア向け分譲マンションやサービス付き高齢者向け住宅などさまざまな種類があります。バリアフリーや食事の提供・緊急時対応などサービスが充実しているため、通常のマンションよりもランニングコストが高めです。しかし、老後を安心して生活したい方は、シニア向け住宅を選ぶのも選択肢の1つでしょう。
2-7.家族との距離
老後の住み替え場所を選ぶ際は、「家族との距離」を考えるのも大切なポイントです。独立した子どもと近い場所で生活すれば、何かあったときに安心できるでしょう。たとえ、体力が少なくなり体の自由がきかなくなっても、買い物などを頼むことができます。ただし、距離が近いだけに「なぜ頻繁に顔を出してくれないのか?」と不満を抱くかもしれません。家族が近くにいるという精神的な支えとして満足しつつも、適度な距離感を保ち続けるのがポイントといえるでしょう。
3.住み替える前にやるべきことは?
住み替え前にやっておきたい内容をチェックしておきましょう。
3-1.整理、断捨離
老後の住み替えは、要らないものを処分する絶好の機会です。新しい住まいへ持って行くものは、できるだけ少なくしたほうが快適な生活を送ることができます。家の中にあるものから「要るもの」と「要らないもの」を区別し、必要のないものは処分してください。不用品が大量にある場合は、不用品回収業者を利用すると良いでしょう。「ゼロプラス」では、不用品の回収だけでなく買い取りも行っているので、低費用で処分できます。ぜひチェックしてください。
3-2.ハウスクリーニング
今住んでいる家を売却する場合は、ハウスクリーニングを済ませておかなければなりません。特に、長年住んでいる家は生活臭が染みついているため、普段の掃除ではなかなか除去できないでしょう。除去できない汚れやニオイは、専門業者のハウスクリーニングを利用してください。
3-3.新築か中古住宅、どちらを選ぶか?
最近の新築住宅は、バリアフリーになっているところが多く、シニア向けの配慮が行き届いているでしょう。ただし、中古住宅よりも価格が高いというデメリットがあります。一方、中古住宅の大きなメリットは、新築よりも費用が抑えられる点です。しかし、古いほど管理費・修繕費など費用がかかる可能性があるため、事前に確認したほうが良いでしょう。
3-4.老後資金を確認する
住み替えを行う前に、老後資金を確認し実現できるか確認が必要です。住み替えのためにはお金がかかるため、住み替えができても今後の生活費が苦しくなる可能性があります。最近は、老後の備えが不十分だったために経済的に苦しい立場となり、「老後破産」してしまう方も増えているので要注意です。「住み替えをしたらお金がなくなった」という状態にならないように、老後に必要な資金を計算してください。住み替えにかかる費用だけでなく、住み替え後に生活し続けられるのか考えることが大切です。
4.老後の住み替えでやってはいけないこと
老後の住み替えでやってはいけないこと、注意点について解説します。
4-1.駅から遠い場所を選ぶ
今は運転できたとしても、老後は困難になるかもしれません。そうすると、移動手段が公共交通機関となります。そのため、駅から遠い場所を選ぶと生活に不便を感じることになるでしょう。老後の住み替えでは、駅から近い場所を選ぶのが大切です。
4-2.都心から郊外へ移る
都心から郊外へ移るのも、老後の住み替えでやってはいけないことです。絶対ではありませんが、老後の生活を考えると郊外よりも都心のほうが生活面で安心できます。逆に、利便性が豊かな都心から郊外へ住み替えると、さまざまな点で不便を感じることになるでしょう。後悔しないためにも、老後の生活についてきちんと考える時間が必要です。
5.老後の住み替えに関してよくある質問
老後の住み替えに関してよくある質問を6つピックアップしてみました。
Q.住み替え先の立地で重視すべきポイントは?
A.生活の利便性や設備なども大切ですが、「日当たり」が良い立地を選びましょう。なぜなら、老後は大半の時間を室内で過ごすことになるため、今まで以上に住環境を重視する必要があるからです。
Q.住み替え先の場所を選ぶ注意点は?
A.あれもこれも欲しいと欲張りすぎていると、本当に必要な設備・条件が選べなくなり後悔することになります。ライフスタイルや送りたい老後を具体的にイメージし、自分にとって何が必要なのか「優先順位」をつけてください。
Q.老後の住み替えでかかる費用はいくらぐらいか?
A.マンションと一戸建てどちらにするかで費用が大きく異なりますが、大手不動産会社が行ったアンケート調査によると、平均2,500万円という数字が出ました。ただし、物件や立地場所などで数字にかなりの差が出るため、具体的な費用に関しては不動産会社で確認してください。また、老後は貯金と年金で生活することになるので、ランニングコストについても考える必要があります。
Q.今の家はどうすれば良いのか?
A.今の住まいを売却する場合は、住宅ローンが完済しているか否かがポイントとなります。住宅ローンが完済していない場合は、売却金で払うこともできるでしょう。しかし、売却をしても足りない場合があるので不動産会社に相談してください。また、賃貸に出すこともできますが、借り手がつかない期間や補修費・固定資産税の納税という問題点があります。賃貸の経費を、どうカバーするかがポイントとなるでしょう。
Q.老後の住み替えの注意点は?
A.住み慣れた土地から離れると、慣れるまで体調を崩すこともあるでしょう。そのため、住み替えを行う際は、住みやすい場所か、快適な生活が送れるかがポイントとなります。住みやすく快適な生活を送れる場所を選ぶことが重要です。
Q.購入、賃貸どちらが良いのか?
A.退職金でまかなえる購入額だとしても、その後の生活について考えた上で決めなければなりません。資金に余裕があり、子どもに資産を残したい場合は購入でも良いでしょう。ただし、資金に余裕がない場合は賃貸のほうが安心です。
まとめ
いかがでしたか? 老後の住み替えは、第2の人生を始める良いきっかけとなります。より快適かつ安心して生活を送るためには、生活の利便性や設備など必要なポイントを把握した上で住み替え先を選ばなければなりません。駅やスーパーなどから近い場所や、バリアフリーが整っている家など住み替え先によって、老後生活が大きく変わります。後悔しないためにも、押さえておきたいポイントをチェックしておきましょう。