徹底解説! 遺品整理士の必要性は? 遺品整理業に資格は必要?
遺品整理問題についてのニュースをよく目にするようになりました。遺品整理の代行業者が注目されるとともに、遺品整理士という存在も注目されています。遺品整理士は名前のとおり、遺品整理について詳しい知識を持っている人のことです。片づけ方や処分の仕方がわからないとき、専門家がいてくれると助かりますよね。しかし、遺品整理士になるためには講義を受け、合格しなければなれません。そこで、本記事では、遺品整理士とは何なのか、必要性や資格・遺品整理業者など詳しく説明します。
この記事を読むことで、遺品整理や遺品整理士について詳しく知り、資格取得のために必要な情報が入手できます。興味のある方は要チェックです。
1.遺品整理士について
遺品整理士はどのような役割を持っているのでしょうか。職務や最近の傾向などと一緒に見ていきましょう。
1-1.遺品整理士とは
民間資格である遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士認定協会により認定されています。いわゆる、遺品整理の専門家です。遺品整理士認定協会によると、「遺品整理士は遺品整理の取扱手順や遺品整理にかかわる法規制などの知識を正しく身につけている者」とされています。遺品整理の作業だけでなく、故人や家族との向き合い方も心得ているのです。
1-2.遺品整理士認定協会とは
資格を認定している遺品整理士認定協会のホームページには、「遺品整理業の社会的役割と業者数の増大にともなう、モラルの低下を是正すること」が理念として掲げられています。また、「業界の健全育成をはかるため、遺品整理士の養成講座を運営するとともに、認定試験を実施すること」が目的です。
1-3.遺品整理士の職務
法規制をきちんと守ったうえで、故人の気持ちがこもっている品々を丁寧に扱い正しく処分することが遺品整理士の仕事です。遺品整理士認定協会では、「供養の観点で取り扱うこと」が遺品整理士の職務だと示しています。
1-4.最近の傾向
最近は、遺品整理を業者に依頼する方が増加しています。業者の増加にともない、遺品整理士の存在も重要な位置に位置づけられているのです。故人が大切にしていたものはむげにできません。正しく遺品を処分するためにも、知識を得ている遺品整理士の活躍が期待できます。
2.遺品整理とは
では、遺品整理士が活躍する遺品整理とは、一体どのような内容なのでしょうか。
2-1.遺品の仕分け
遺品の仕分けが遺品整理の大きな作業です。故人が使っていたものの中から親族同士で遺品を分けていきます。特に、貴重品やアクセサリー類・骨董品(こっとうひん)・証券など価値があるものは慎重に仕分ける必要があるでしょう。遺品整理士がおこなう場合は、依頼者の要望どおりにすることが大切です。
2-2.不用品処理・リユース・リサイクルについて
遺品の仕分けをおこない、要らないものに分類されたものは不用品です。不用品処理やリユース・リサイクルも遺品整理の中に含まれています。不用品の中で使えるものはリユース・リサイクルしていきましょう。そうすることで、ゴミの量を減らし、地球にやさしい処分ができます。
2-3.特殊清掃について
遺品整理の中には特殊清掃という作業があります。特殊清掃とは、事故死や孤独死の現場での作業です。部屋に残っている臭いや血痕などをキレイに掃除します。遺品整理業者は特殊清掃サービスも受けつけているところがほとんどです。
2-4.ハウスクリーニングと原状回復
特殊清掃と同じく、ハウスクリーニングや原状回復も遺品整理の1つです。汚くなった部屋をキレイに整理整頓し、消臭・消毒をおこないます。賃貸物件の場合は借りた状態に戻さなければなりません。事故死などで傷ついた汚れや傷を元どおりにします。
2-5.お焚(た)き上げと供養
仏壇に飾っている位牌(いはい)など供養が必要な遺品もあります。供養方法や処分方法など迷いがちですが、供養はお寺などでお焚(た)き上げをおこなう業者もあるのです。きちんと正しい方法で処分している業者なら安心して依頼できるでしょう。
3.遺品整理士の必要性
遺品整理業の活躍が増えてきたからこそ、遺品整理士の需要が高まりつつあります。遺品整理士の必要性について、しっかり把握しておきましょう。
3-1.遺品整理と不用品回収の違い
不用品回収は家庭から出る要らないものを処分することです。遺品整理にも不用品回収はありますが、回収対象が“故人のもの”になります。そこが大きな違いでしょう。処分すべきかどうか所有物者の判断を仰ぐことができないため、遺された親族が代わって整理整頓をしなければならないのです。
3-2.遺品整理士の必要性とは
遺品を正しく処分するために必要な存在が遺品整理士です。思いがこもっている遺品は大切に、適切に処分しなければなりません。遺品整理士は遺品整理の基礎知識や規律を把握しています。だからこそ、トラブルを起こさずに遺品を扱い処分することができるのです。
3-3.遺品整理のトラブルと対応策
少子高齢化がすすんでいる現在の日本において、孤独死が年々増えてきています。誰も気づかずに1人で亡くなった人は、もちろん遺品整理をしてくれる人もいません。しかし、部屋を片づけなければ管理人が困るものです。家族に連絡しようとも、応じてくれないケースが増えています。そんなときこそ遺品整理士や遺品整理業者が大きな力になるのです。
4.遺品整理士の資格について
遺品整理士はきちんと講義を受けて試験にパスしなければ取得できない資格です。それでは、詳しく見ていきましょう。
4-1.試験資格
試験は一般社団法人遺品整理士認定協会が実施しています。試験を受けるためには、まず、講義を受けなければなりません。講義を受けるための資格はなく、誰でも受講可能です。ホームページの受講申し込みフォームから申し込みができます。
4-2.試験内容
講義はおよそ2か月間で、教材を使いながら遺品整理の基礎を学びます。教本には、遺品整理・遺品整理業者についてや遺品整理をおこなうために何をすべきかが記載されているものです。また、業務の実例など資料集やDVD教材も使います。そして、受講が終わると問題集に沿って課題レポートを作成し、提出する流れです。
4-3.試験日・会場・費用
講座は通信制です。そのため、試験日や試験会場は決まっていません。自分のペースで講座を受けることになるため、受講がすべて終わればそのままレポート提出に移ります。遺品整理士養成講座を受けるためには、受講料(入学金)と会費(設定手続き含む)が必要です。受講料は2万5000円、会費は2年間有効で5000円かかります。
4-4.難易度
遺品整理士になるためには、学ばなければならないことがたくさんあります。法規制はもちろんのこと、遺品整理士としての心構えを持つことが目的でもあるのです。しっかり教材を使い、遺品整理士としての意味や役割を理解しておけば、合格できるでしょう。大切なのは、遺品整理のあり方を理解することなのです。
4-5.就職について
遺品整理士の需要は高まっています。年々遺品整理業者が増えているため、求人も増えているのです。遺品整理士としての資格を取得しておけば、採用されやすいでしょう。実際に、遺品整理士を取得した後、経験を積み開業した方もいます。
5.遺品整理の業者について
遺品整理の業者は、一体どのようなことをしてくれるのでしょうか。業者選びのポイントや気をつけるべき業者の特徴など詳しく説明します。
5-1.遺品整理業者とは
遺品整理業者は自分の代わりに遺品を整理してくれる業者です。遺品整理をしたくても遠方で生活していたり、ものがあふれすぎて手に負えなかったりするときもあるでしょう。遺品整理業者に依頼することで、体力面・精神面での負担が軽減します。また、遺品の仕分けから処分まですべて請け負ってくれる業者であれば、わざわざ自分たちで作業をする必要もありません。大量にある不用品も一気に処分できるのです。
5-2.業者選びのポイント
業者の中には不正を働く悪徳業者も存在しています。優良な業者を選ぶためにも、以下のポイントに注目してください。
- 遺品整理や不用品処分・特殊清掃・供養などサービスが充実している
- 適切な見積もりを出す
- 遺品整理士が在籍している
- リユース・リサイクルに力を入れている
- 古物商許可を取得している
5-3.相談窓口と見積もりについて
業者に依頼する前は、必ず見積もりを依頼してください。遺品の量や状態によっては、費用が高くつく可能性もあります。見積もりをしっかり確認して適切な料金か、不備な点がないかを徹底的にチェックしましょう。もし、不備な点があれば、すぐに尋ねてください。丁寧に説明をする業者なら安心して依頼できます。また、わからないところがあれば相談窓口に問い合わせてください。遺品整理や不用品処分をおこなっている「ゼロプラス」では、電話とホームページから可能です。1営業日以内に担当者より連絡致しますので、お気軽にお問い合わせください。
5-4.こんな業者は要注意!
お金をだましとる悪徳業者は特徴を持っています。以下の項目に当てはまる業者には気をつけてください。
- 適当な説明で契約をしようとする
- 見積もり内容が大ざっぱ
- 古物商の許可を取得していない
- 料金設定が明確になっていない
5-5.料金について
業者に依頼する際、最も気になるのが料金でしょう。遺品整理の料金相場は、およそ5万~15万円です。部屋の広さや不用品の量、状態によって異なるため、具体的な料金は見積もりを依頼してください。また、消毒・消臭・原状回復など特殊清掃サービスを利用する場合、追加料金がかかります。後でトラブルにならないためにも、追加料金が発生するケースを把握しておきましょう。
6.遺品整理士にかんしてよくある質問
遺品整理士にかんしてよくある質問を5つピックアップしてみました。
6-1.遺品整理士のやりがいとは?
正直、遺品整理士の仕事は大変です。大切な遺品を適切に処分するため、体力と精神力が必要になる仕事といえます。しかし、正しく処分することで地球にやさしい取り組みができますし、遺族から「ありがとう」と一言だけで「やって良かった」と思えるものです。遺品整理士のやりがいは大きいものだといえるでしょう。
6-2.遺品整理士の年収相場とは?
遺品整理士の平均年収は、およそ400万~800万円です。遺品整理士として働き始めたころは400万円ほどでしょう。しかし、経験を積み、開業すれば800万円以上も期待できます。遺品整理の依頼が増えている現状を考えると、将来性が十分にある仕事といえるでしょう。
6-3.遺品整理士に向いていない人、向いている人とは?
一般社団法人遺品整理士認定協会のホームページに「反社会的な考え方を持っている人は受講できません」と記載されています。遺品整理士は遺族や遺品に対する思いをくんで作業しなければなりません。そのため、人の気持ちを理解する心を持つことが大切です。
6-4.遺品整理士との間で起きるトラブルとは?
資格を取得していないのに遺品整理士と名乗る輩(やから)も増えています。偽っている人たちは、遺品をゴミと同じように粗末に扱いがちです。故人の気持ちや遺族の思いを無視した行動をとるため、トラブルに発展しやすいでしょう。遺品整理士とのトラブルを起こさないためにも、きちんと悪徳業者と優良業者を見極める力を持たなければなりませんね。
6-5.遺品査定士と遺品整理士の違いとは?
遺品整理士は遺品を整理し適切な方法で処分する役割を持っています。似ている言葉に「遺品査定士」という役職がありますが、遺品の査定と買取に特化した専門家のことです。遺品の整理や処分はできません。
まとめ
いかがでしたか? 遺品整理業が注目されている昨今、遺品整理士の活躍の場が広がりつつあります。故人や遺族の思いを大切にしつつ、適切な方法で遺品を整理し処分する大切な役割です。ただし、遺品整理士になるには民間資格を取得しなければなりません。民間資格は通信制なので自分のペースで勉強できます。今後も遺品整理業は増えていき、依頼者も多くなるでしょう。将来性は十分にあります。遺品整理や遺品整理士の基礎を身につけ、資格取得のための講座を受けてみてください。