遺品整理と不用品回収の違いは? それぞれの業者の違いやコツ
遺品整理と不用品回収には、大きな違いがあります。遺品整理は遺品から形見分けを行い、要らないものを処分することです。一方、不用品回収で処分するのは遺品ではありません。処分方法や心構えなど、さまざまな点においても違いが出てくるため、しっかりと把握した上で作業を進めることが大切です。
そこで本記事では、遺品整理と不用品回収の主な違いを解説します。
この記事を読むことで、遺品整理と不用品回収それぞれの処分方法や業者の選び方が分かります。気になっている方は、ぜひチェックしてください。
1.遺品整理と不用品回収の違いは?
まずは、遺品整理と不用品回収の主な違いをチェックしておきましょう。
1-1.大きな違いは処分するもの
遺品整理と不用品回収の大きな違いは、処分するものが異なる点です。遺品整理は故人が遺(のこ)したもの=遺品を片付け処分することを指します。一方、不用品回収で処分するものは遺品ではありません。整理や片付けという点では同じですが、扱うものに大きな違いがあります。不用品は持ち主のものですが、遺品整理で処分するものはすべて故人の所有物です。その大きな違いをしっかりと把握しなければ、業者選びを誤ってしまうので注意してください。
1-2.遺品には相続人がいる
不用品回収に相続は関係ありませんが、遺品整理の場合は相続人が大きく関わることになります。基本的に、遺品整理を行う人は相続人で、処分をするか残すかは相続人が決めることになるでしょう。遺言書が残っている場合は、その内容どおりに進める必要があります。また、相続人が複数いる場合は、1人の権限で勝手に遺品整理を行うことはできません。一方、相続とまったく関係がないのが不用品回収です。不用品回収は誰かに許可を求めたり、相続人同士で集まったりする必要はなく、所有者の意思によって自由に処分できます。
1-3.遺品整理の場合は分割協議が重要
遺品整理の場合は分割協議が大きな重要ポイントとなります。分割協議とは、相続人同士で形見分けをしたり、誰が何を受け取るのかを決める話し合いです。この分割協議できちんと話し合っておかなければ、後で親族トラブルに発展する恐れがあります。何を処分し何を残すのか、相続人同士が納得できるように話し合い、未然にトラブルを防ぐための心がけが大切なのです。
1-4.処分方法にも違いがある
可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミなどに分類して処分する不用品とは違い、遺品の中にはゴミとして処分できないものもあります。たとえば、仏壇や位牌(いはい)など供養が必要なものは、自治体処分や不用品回収業者ではなく、遺品の扱いに慣れた業者に依頼すべきです。お焚(た)き上げなどの供養が必要になるため、そのまま処分しないようにしてください。
1-5.遺品整理は故人の遺志を尊重する
遺品整理を行うのは相続人ですが、あくまで故人のものを整理し片付けるので、故人の遺志を尊重することが大切です。遺言書がある場合は、その内容のとおりに進めていき、業者に依頼する際は遺品を丁寧に扱う業者を選びましょう。遺品の扱い方が雑な業者へ依頼すると、嫌な気持ちになります。手元に置いておきたかった遺品まで捨てられてしまうことになるため、遺品整理の実績がある業者へ依頼することが大切です。業者選びに関しては、後ほど【3.遺品整理と不用品回収の業者選び】で詳しく解説します。
2.遺品整理の注意点を解説!
それでは、遺品整理における注意点を具体的にチェックしておきましょう。
2-1.分割協議で決めた内容に沿って慎重に作業を進める
遺品整理は分割協議で決めた内容に沿って、慎重に作業を進めていかなければなりません。特に、写真・ビデオ・アルバムなどの思い出の品は、1度捨てるともとに戻すことはできないので注意してください。写真を撮ってデータにするデジタル化や厳選して残すようにしましょう。適当に処分すると後でトラブルに発展するため、慎重に作業を進めてください。特に、骨とう品・宝石など価値があるものは、自己判断で処分したり形見分けをしたりするのはトラブルの元になるのでNGです。
2-2.事前に遺品整理の日を伝え、形見分けをする
故人の持ちものには、アクセサリー・宝石・証券類・預金通帳といった貴重品が含まれています。これらの貴重品には相続に関連するものがたくさんあるため、親族トラブルに発展しやすいのです。親族トラブルを未然に防ぐためには、事前に遺品整理の日を決めて相続人全員に伝え、形見分けを行う必要があります。親族が集まりやすく、気持ちにも余裕が生まれる「49日」に遺品整理を行うケースが多いので、ぜひ参考にしてください。
2-3.賃貸物件の場合は賃料の支払いが必要になることも
故人の住まいが賃貸物件の場合、遺品整理が終わるまで賃料を支払わなければならなくなります。つまり、遺品整理が遅れるほど支払う金額も大きくなるのです。気持ちの整理ができるまで、なかなか遺品整理に手をつけることができないかもしれませんが、賃貸物件の場合はなるべく早めに済ませられるように心がけてください。また、遺品を放置すると、次の項目のような問題点も出てきます。
2-4.近年問題視されているゴミ屋敷問題
近年、問題視されているのが実家のゴミ屋敷化問題です。故人と遠方に住んでいる方は、まとまった休日に遺品整理を進めることになりますが、遺品の量が多く、さらに人手が足りない状態だといつまでたっても終わらせることができません。その結果、片付かない状態が長くなり、ホコリがたまったり害虫が発生したりするようになるのです。ゴミ屋敷は、近隣住民とのトラブルや治安問題などにも発展し、さまざまな悪影響を及ぼします。
2-5.業者とのトラブルが急増中
遺品整理でよくあるトラブルと失敗例は以下のとおりです。
- 不用品処分のような感覚で、業者に遺品を雑に扱われた
- 思っているよりも時間と手間がかかり、中途半端な状態になった
- 人手不足でなかなか作業が進まない
- 回収してもらった遺品が不法投棄されていた
- 見積書の内容とは異なる金額を請求された
中でも、遺品整理業者とのトラブルが近年は増加傾向にあります。トラブルを未然に防ぐポイントは、遺品整理の実績がある業者を選ぶことです。では、次の項目で、遺品整理業者と不用品回収業者選びのポイントを解説しましょう。
3.遺品整理の業者選び
ここでは、遺品整理と不用品回収の業者選びを解説します。どの業者に依頼すべきか迷っている方は必見です。
3-1.遺品・不用品の量が多い場合は業者へ依頼する
遺品や不用品の量が多いと、自分たちで手に負えなくなります。自分たちで片付けられないほどの量がある場合は、専門業者へ依頼したほうがいいでしょう。専門業者に依頼する大きなメリットは、スピーディーかつ適切な方法で回収・処分できることです。費用節約のために自分たちで作業を行う方がいますが、手間と時間がかかり、逆効果になってしまいます。特に、遺品整理は作業をスピーディーに終わらせたいときは、業者に依頼するのが最善です。遠方に住んでいる方や仕事で忙しい方も、業者への依頼をおすすめします。
3-2.遺品整理業者と不用品回収業者の違い
遺品整理業者と不用品回収業者の大きな違いは、遺品の扱いに慣れているかどうかです。不用品回収業者は、遺品の扱いには慣れていません。そのため、遺品の処分を不用品回収業者に依頼すると、雑に扱われる可能性があります。しかし、遺品整理業者は遺品の扱いに慣れているため、故人の遺志や遺族の思いを大切にしてくれるのです。また、供養が必要な遺品もしっかりと供養してくれるので、心配する必要はありません。適切な方法で遺品を片付け、処分できるのが遺品整理業者の大きなメリットです。
3-3.遺産整理士が在籍しているか要チェック!
遺品整理業者を選ぶ場合、遺品整理士が在籍しているか否かを先にチェックしてください。遺品整理士は、遺品整理業界の健全化を目指し、一般社団法人の遺品整理士認定協会が認定する民間資格です。遺品や相続に関する知識を持っているため、適切な方法で遺品を片付けることができます。遺品整理士が在籍している遺品整理業者なら、安心して任せられるでしょう。そのほか、チェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 遺品の供養サービスを行っているか
- 特殊清掃やハウスクリーニングなども利用できるか
- 無料見積もりや無料相談を受けつけているか
- 低費用かつ高品質なサービスを受けられるか
- 口コミや評判がいいか
- 不用品回収や買取を行っているか
3-4.費用を抑えるポイントは買取
遺品整理業者やへの依頼費用を最小限に抑えるポイントがあります。それは「買取」です。衣類・CD・本・家具・家電など、遺品の中には買い取ってもらえるものがあるので、処分ではなく売却することで費用が節約できるでしょう。壊れていない・正常に使える状態のものなら、ほとんどの業者で買い取ってもらえます。買取と回収を行っている業者に依頼すれば、買取不可になっても処分が依頼できるので手間と時間がかかりません。愛知県にあるゼロプラスも処分と買取を行っているので、ぜひ1度お問い合わせください。
4.遺品整理と不用品回収に関してよくある質問
遺品整理と不用品回収に関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.遺品整理にかかる費用はいくらぐらい?
A.遺品や不用品の量・部屋の広さなどによって異なりますが、大量の遺品がある場合はお得な積み放題パックを利用するといいでしょう。参考として、ゼロプラスの積み放題パックプランを紹介します。
- 軽トラックパック(家電5~6品程度):29,800円~
- 平車パック(1K~1DK程度):69,800円~
- 2tホロ車パック(1LDK~2K程度):99,800円~
- 2t箱車パック(2K~2LDK程度):119,800円~
- 4t箱車パック(3LDK~5LDK程度):219,800円~
Q.不用品処分のコツは?
A.遺品が少なく、自分たちで仕分けができる量なら、遺品整理業者へ依頼せず不用品回収業者に処分を依頼したほうが安価で済むケースがあります。また、不用品を1点ずつ処分するよりも、まとめて処分したほうがお得な値段で処分できることもあるのです。不用品の量や状況によって、遺品整理業者と不用品回収業者を使い分けるのもポイントになるでしょう。
Q.悪質業者の特徴は?
A.簡単に説明を済ませ、すぐに契約を取ろうとする傾向があります。見積書を提示しても具体的な費用が記載されていない・回収したものをどのように処分するのか説明してくれないなどの特徴があるため、慎重に選ぶことが大切です。
Q.遺品整理業者に依頼する際、注意しておきたいことは?
A.どこからどこまでサービスを請け負ってくれるのか作業範囲を確認しておきましょう。遺品整理業者によって、遺品の片付けや整理だけというところもあれば、ハウスクリーニングまで行ってくれるところもあります。業者によって作業範囲が異なるので、依頼する前に必ず確認してください。
Q.機密文書を処分する際の注意点は?
A.不用品処分だけでなく、遺品の中にも機密文書が含まれていることがあります。その場合は、機密文書処理の専門業者に依頼するのも方法の1つです。安全性・確実性にこだわっているため、機密事項が外部へ流出する心配はないでしょう。
まとめ
遺品整理は大切な人が遺したものを整理し要らないものを処分しますが、不用品回収は遺品ではなく、一般的なゴミを処分することになります。捨てるものが違う点が、遺品整理と不用品回収の大きな違いです。遺品の量が多く、自分たちで手に負えない状態であれば、無理をせず遺品整理業者に依頼してください。なるべく、遺品整理士が在籍する専門業者に頼むのがいいでしょう。ただし、遺品整理だけでなく、不用品の回収や買取も行っている業者があるので、遺品の中から売れるものを売却し処分費用を節約するのも方法の1つです。不用品回収・買取を行っている遺品整理業者に、遺品の量や供養すべきものの処分方法を相談してみてはいかがでしょうか。