孤独死が起こる原因は? どうすれば防げるのか対策方法をご紹介!

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日本では社会問題になりつつある孤独死ですが、少子高齢化や核家族化が進んでいるあたり、今後も増えていくだろうと懸念されています。孤独死が起こる原因は何なのか、どうすれば未然に防ぐことができるのか……孤独死の問題について悩み気になっている方は多いでしょう。

そこで、本記事では、孤独死が起こる原因や対策方法を解説します。

  1. 孤独死とは?
  2. 孤独死が起こる理由は?
  3. 孤独死を防ぐ対策方法は?
  4. 孤独死に関してよくある質問

この記事を読むことで、孤独死を防ぐためのポイントなどが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。


1.孤独死とは?

まずは、孤独死がどのようなことなのか、基本情報をチェックしておきましょう。

1-1.誰にも看取(みと)られることなく1人で亡くなること

孤独死を簡単に説明すると、誰にも看取られることなく1人で亡くなることを指しています。当人の住居内などで生活中の突発的な疾病などで亡くなり、死亡してから数日経過して発見されるケースがほとんどです。実は、孤独死という言葉は2008年に初めて広辞苑(こうじえん)に掲載されたほど、新しい言葉となっています。それほど日本における孤独死は増加しており、その数は年間約3万人にも及ぶといわれているほどです。常に孤独死を迎えている人がいるということで、重大な社会問題の1つになっています。

1-2.若い世代の孤独死も増えている

孤独死=高齢者というイメージがあると思いますが、近年は若者の孤独死が増えています。高齢者のみならず、若年世代の孤独死が増えているのは独身の男女が増えているからでしょう。最近では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、貧困・失業などをきっかけに自宅に引きこもってしまう人も増えています。さらに、気軽に頼れる友人や家族がいないことへのストレスも重なってしまい、食生活が乱れては精神的にも病んでしまうのです。孤独死が起きる理由や背景としては、後ほど【2.孤独死が起こる理由は?】で詳しく説明するのでぜひチェックしてください。

1-3.家族や関係者に大きな影響を及ぼす

誰にも看取られずに1人で亡くなる孤独死は本人にとっても不幸なことではありますが、家族や関係者にも大きな影響をもたらしてしまいます。家族や親族にとっては、最期の別れができなかったこと・すぐに見つけてあげられなかったことに後悔の念を抱いてしまうでしょう。また、孤独死が発見されるケースは、数日が経過し遺体が腐敗したことで漂う悪臭がきっかけになることがほとんどです。異臭によって発見されると、近隣の人にも苦い記憶として残ってしまいます。

1-4.原状回復工事に多大な費用がかかる

孤独死の現場が賃貸住宅の場合、床や壁に染み付いている異臭や体液などをきれいにしなければなりません。その場合は、普通の清掃では除去できず、特殊清掃を行うことになり多大な費用がかかってしまいます。孤独死に親族や家族がいれば身内に費用を請求できますが、身内がいない場合はその賃貸住宅の管理人が支払わなければなりません。また、孤独死が起きた物件は否応(いやおう)がなしに事故物件扱いとなります。事故物件になってしまうと、次の賃借人が見つかるまで時間がかかってしまうのです。分譲マンションや一戸建ての場合でも、事故物件になっている家屋は相場での売却は難しいでしょう。

2.孤独死が起こる理由は?

では、どうして孤独死が起きてしまうのでしょうか。その理由について詳しく説明します。

2-1.未婚率の上昇と高齢者の1人暮らし

孤独死が起こる1番の理由は、近年の日本における社会背景が強く影響しています。少子高齢化・未婚率の上昇・家族と世帯を共にしない高齢者の増加など、さまざまな要素が重なった上での孤独死が増加しているのです。1人暮らしをしている高齢者は家族に負担をかけたくない理由から、こまめに連絡をとったりせず、すべて1人で解決してしまうところがあります。また、子どもがおらず、身内とのつながりも消え、生涯独身を貫く高齢者も孤独死の危険にさらされているといえるでしょう。

2-2.近所づきあいの低下

今の日本は情報化社会であり、ネット上でさまざまな情報が飛び交ってはやり取りをしています。高齢者はネットに疎いのはもちろん、近所づきあいも減ってしまったのが孤独死が増えている理由の1つです。たとえば、昔の日本はインターネットが普及していなかった分、近所と話をしたり、地域で集まったりするなどコミュニケーションが盛んでした。けれども、現代では普段から人と会話をしない・挨拶すらしないという方が多く、近所づきあいもかなり減っているのです。そのため、自分が体調を崩したり、家庭内でケガをしたりしてしまっても助けを求めることができません。

2-3.金銭的な余裕がない

孤独死が増えている理由としては、金銭的な余裕がない家庭が増えているのもあげられます。かつては、子ども・父母・祖父母の3世帯が同居し、年老いた両親の面倒は子どもがみるというケースが一般的でした。けれども、近年は、子どもが親元を離れ、残された両親は死別または離婚で1人暮らしになるというケースが増えています。孤独死しやすい人は経済面の余裕がなく、病院へ頻繁に通えなかったり、栄養のある生活を過ごすことができなかったりする共通点があるのです。日本の生活基準が低下している・経済力が低くなっているのも問題の1つでしょう。

2-4.社会に出られない若者が増えている

前述したように、若者の孤独死も増えており、その理由としては社会に出られない引きこもりが増加しているところにあります。引きこもりになってしまった理由は人それぞれです。たとえば、社会でうまくコミュニケーションがとれなかったり、ショックなことが原因でトラウマになったりと、外に出る勇気が持てなくなってしまいます。社会に出る機会をずっと失い、家の中にい続けると自然と気持ちが落ち込みやすくなっては生活習慣も乱れてしまうでしょう。そのまま年を重ねていき、結婚もせずに親が亡くなっては本人も孤独死を迎えることになるのです。

3.孤独死を防ぐ対策方法は?

ここでは、孤独死を防ぐ対策方法とポイントを解説します。

3-1.家族とコミュニケーションをとる

1番の対策としては、積極的に家族とコミュニケーションをとることです。離れて生活していたとしても、電話をしたりメールをしたりするなど何らかの連絡手段はあります。両親が1人暮らしをしている場合は、子どものほうから連絡をとってみるといいでしょう。きっと両親は連絡をしたくても相手の迷惑になるのでは、と躊躇(ちゅうちょ)しているはずです。1人暮らしをしている人でも、自分から家族に連絡をとったり、話をしたりするといいでしょう。定期的に連絡を取り合うことで、相手の異変にもすぐに気づけますし、孤独死対策にもなります。

3-2.地域・自治体による見守り対策が必要

1人暮らしをしている人の中には、身内や家族がいない人も多いでしょう。そのような人たちの孤独死を未然に防ぐためには、地域や自治体の見守りが必要不可欠となります。孤独死が社会問題になりつつある中、地域によってお互いを支え合い見守る活動のネットワークを構築しているところも増えてきているでしょう。たとえば、民間企業と連携した見守りサービスを実施したり、郵便局の局員が定期的に高齢住宅を訪問したりするなどです。自分がお住まいの地域で、どのような見守り対策を行っているのかチェックしてみるといいでしょう。

3-3.いろいろなサービスを活用する

地域や自治体が行っているサービスのほか、孤独死対策のためにさまざまな企業がサービスを展開しています。たとえば、宅配会社が配達を通じて高齢者の様子を窺う見守りサービスなどです。セキュリティー会社であるAKSOKでは、安否確認などの緊急通報事業を行っているほか、高齢者の見守りサービスを展開しています。これらのサービスを家族が高齢の親にすすめることで、孤独死を未然に防げるようになるのです。特に、親と遠い場所で生活している人にとっては、このようなサービスを活用すると安心できるでしょう。

3-4.カメラやセンサーを設置する

最近では、カメラやセンサーを設置することで、1人暮らしをしている両親の様子を見守ることができるアイテムが販売されています。それらのアイテムを活用するのも、孤独死を未然に防ぐポイントです。カメラは高齢者の様子を常に観察できますし、異変が起きたときもすぐに対応できます。センサーは観察対象の熱をチェックし、異変を察知してくれる優れものです。ホームセキュリティーなどの防犯サービスを手がける警備会社が機器を使ったサービスを提供しているところもあります。

3-5.老人向け施設に入居する

金銭的な余裕があるのなら、家族に相談して老人向けの施設に入居する・入居してもらうのも方法の1つです。シニア向けの施設であれば、常に誰かがまわりにいてくれるので家族も安心できます。介護や看護の環境も整っているところですので、突然病気になったり倒れたりしてもすぐに対処してもらえるでしょう。また、ほかの入居者と交流できるイベントもたくさん行っています。中には、体や脳を鍛えるトレーニングを積極的に行っている施設もあるので、さまざまな老人向け施設をチェックしてみてはいかがでしょうか。

4.孤独死に関してよくある質問

孤独死に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.孤独死を防ぐために地域住民ができることは?
A.あなたの周囲に孤独死のリスクがある人がいる場合、地域の相談窓口に連絡してみてください。地域住民ができることは、1人暮らしをしている人たちとコミュニケーションをとることです。積極的にとる必要はありませんが、時々顔を出したり、地域のイベントに参加してもらおうと声をかけたりするといいでしょう。また、新聞がたまっていたり、雨戸が数日間閉まったままだったりしているときも、自治体に相談してください。

Q.SNSで人とつながるのも孤独死対策として有効か?
A.有効です。SNSも孤独死を防ぐためのツールになります。1人暮らしで孤独にならないためには、常に人とつながりを絶やさないことが大事でしょう。近所の人たちとの交流はもちろんですが、自分の暮らしぶりを発信できるSNSも利用してください。LINE・Facebook・Twitterなどさまざまなツールがあります。インターネットを通じてフォロワーや友達を増やすことができますし、交流で心が救われることもあるでしょう。

Q.孤独死しやすい人の特徴は?
A.経済力が低い・男性・高齢者という特徴があります。前述したように、経済力が低い人ほど不健康になってしまい、孤独死のリスクが増えてしまうでしょう。また、男女ともに孤独死のリスクはありますが、男性は必要最低限の家事だけで生活の質が高くないケースがあります。熟年離婚で配偶者と別れてしまうと、孤独死になり得るリスクも高くなりがちです。

Q.孤独死が起きた場合の対処法は?
A.孤独死を発見してしまった場合には、まず警察に連絡することが大切です。特に、孤独死とは判断できない状況であれば、事件性の疑いが出てくるでしょう。万が一、家族や知人が孤独死をして閉まった場合でも、すぐに警察と管理人へ連絡をすることが大切です。そして、孤独死特有の腐敗臭やシミ・汚れなどを取り除き、遺品整理をスピーディーに行う必要があります。

Q.遺品整理のポイントは?
A.孤独死の場合、まずは特殊清掃を依頼しなければなりません。特殊清掃を行ってから遺品整理を始めることになりますが、親族だけでは手に負えないケースもあるでしょう。そのようなときは、専門業者に頼ってください。遺品整理や特殊清掃を行っている専門業者に依頼すれば、スピーディーに作業を進めることができます。不用品回収買取・遺品整理を行っているゼロプラスでは無料相談も受け付けていますので、お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

孤独死が起こる原因は、さまざまな社会背景が関係しています。少子高齢化・高齢者の1人暮らし・貧困など、いろいろな要因が重なって孤独死が増えているのです。社会問題になりつつある孤独死を未然に防ぐためには、地域や自治体の協力が必要となります。実際に、高齢者の見守りサービスなどを民間企業と連携して行っている自治体もあるので、ぜひチェックしてみてください。