形見分けの仕方を徹底解説! 形見分けを行う時期や注意点についても
遺品の量が多いほど、形見分けの作業に時間と手間がかかります。どのような流れで形見分けをすればいいのか、注意すべきことはあるのかなど、形見分けの仕方で悩んでいる方は多いでしょう。
事前に、形見分けの仕方やポイントをしっかりと把握しておけば、スムーズに遺品を仕分けることができます。いい加減な仕方で形見分けを行えば、親族間のトラブルに発展するリスクが高まるので注意が必要です。
本記事では、形見分けの仕方と注意点などを詳しく説明します。
この記事を読むことで、形見分けを行う時期やポイントなども分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。
1.形見分けとは?
最初に、形見分けの基本情報をチェックしておきましょう。
1-1.遺品を親族や友人に分けること
形見分けとは、遺品を親族や友人に分ける作業のことです。ただ、遺品を分けるだけでなく、故人が愛用していたものを介して、親交のあった人たちと思い出を分かち合う意味も含まれています。故人が愛用していたものはその人の魂が宿るといわれているため、故人の魂を受け継いでいくという意味もあるのです。遺品に触れるたび、故人を思い出して形見分け作業を進められない方は、親族や友人たちと一緒に形見分けをするといいでしょう。
1-2.故人の愛用品や大切にしていたもの
形見分けと遺品整理は同じだと思われがちですが、意味合いが異なります。前述したように、形見分けは大切な遺品や故人の愛用品を親族や知人に分けることです。一方、遺品整理は電化製品や生活用品など、故人が使用していた身の回りのものを片付ける作業となります。
1-3.形見分けの代表的な遺品
では、どのようなものを形見分けすることになるのでしょうか。形見分けの代表的な遺品としては、主に以下のとおりです。
- 着物やブランド服などの衣類
- 指輪・時計などのアクセサリー
- 蔵書・書画などの骨とう品
- 収集品や道具など趣味のもの
遺族にとって思い出があるもの、故人が自分で製作した作品なども形見分けの対象です。
2.形見分けを行う時期は?
ここでは、形見分けを行う時期について詳しく説明します。
2-1.四十九日の法要後
形見分けのタイミングは具体的に決まっていませんが、四十九日の法要後に行うケースがほとんどです。四十九日の法要は、忌明けといわれ、遺族が喪に服す期間を終えることを意味しています。亡くなった直後はやるべきことがたくさんあり、気持ちを整理する時間もありません。四十九日はある程度時間が経過しているので、故人との思い出を振り返りながら形見分けや遺品整理ができるタイミングといえるでしょう。
2-2.親族が集まりやすいタイミングで
形見分けは、できるだけ親族全員が集まりやすいタイミングで行うのがベストです。形見分けを行う遺品の中には、着物やアクセサリーなど高価なものもあります。親族が集まらず、1人で勝手に形見分けをすると後で親族間とのトラブルに発展するリスクが高まるでしょう。実際に、「勝手に形見分けをされた」「譲り受けたかったものを奪われた」など、親族間でトラブルが起きているので注意が必要です。そういう意味でも、四十九日は親族が集まりやすい日でもあるため、形見分けのタイミングといえます。
2-3.早く終わらせたほうがいいケース
状況によっては、形見分けを早く終わらせたほうがいいケースもあります。たとえば、故人がマンションやアパートなどの賃貸物件で生活していたケースです。賃貸物件で1人暮らしをしていた場合、早めに退去する必要があります。退去日が遅れるほど家賃の支払いが発生することになるため、形見分けや遺品整理は早めに行ったほうがいいでしょう。
3.形見分けの仕方は?
ここでは、形見分けの仕方を解説します。
3-1.形見分けリストを作る
遺品整理で形見分けをすることになりますが、作業を始める前に形見分けリストを作成してください。特に、遺品の量が多い場合は、残しておきたいものや親族や友人で分けたいものは、しっかりと形見分けリストに記載しておくといいでしょう。そうすれば、ほかの遺品と間違えて処分する心配はありません。また、遺品整理で形見分けする品物を見つけた際は、別の場所でしっかりと保管することも大切なポイントです。
3-2.品物別の贈り方
形見分けで友人や親族に贈る場合は、いくつか注意点があります。品物別の贈り方を解説していきましょう。
3-2-1.衣類
着物やブランド服を形見分けする場合は、クリーニングをしてキレイにするのが基本です。ホコリや汚れが付いているまま贈ると、相手に対して失礼になります。特に、着物など繊細な衣類は汚れが付いていると、生地が傷んでしまう恐れがあるので注意が必要です。
3-2-2.バッグ・時計
バッグは肩掛けの部分や持ち手などが破損していることもあるので、できる限り修繕してから贈りましょう。形見分けをする人がすぐに使用できる状態にすることが大切です。そして、時計はメンテナンスをしてください。しっかりと動くかどうか、稼働もチェックしておきましょう。また、時計の元箱がある場合は、一緒に渡すのが基本です。
3-2-3.宝石・貴金属などのアクセサリー
宝石や貴金属などのアクセサリー類は、形見分けでトラブルになりやすい品です。好みやサイズなどをしっかりと確認した上で、形見分けをしたほうがいいでしょう。また、故人が普段から愛用していたメガネ・ベルト・ブローチなどの小物類は、汚れが付いている可能性もあるので手入れをしてから形見分けをしてください。
3-2-4.家具
種類によって異なりますが、家具の中には大きめサイズのものもあります。故人が大切にしていたものでも、譲り受けた結果、置く場所がなかったという失敗もあるので注意が必要です。大きめの家具を形見分けする際は、サイズや置き場所をしっかりと確認してください。
3-2-5.写真・ビデオ
故人との思い出が詰まった写真やビデオは、特に親交のあった人に形見分けしたいものです。親族で形見分けをするか、故人と親交のあった人に譲ると喜ばれるでしょう。ただし、故人と悲しいお別れになってしまった場合、写真やビデオの形見分けを断られるケースもあります。
3-2-6.書籍
故人が愛読者の場合、たくさんの書籍が遺されているはずです。書籍の種類によって異なりますが、好みや要不要をしっかりと把握した上で、欲しがっている人に譲るといいでしょう。
3-3.不要なものは買取に出すことも
形見分けで譲り先が決まらない場合は、ほかの不用品と一緒に処分する方法もあります。不用品回収業者によっては、遺品であっても買取可能と査定することもあるのです。「遺品は売れるのか?」と思われがちですが、正常に使用できる状態であれば買い取ってもらえる可能性はあります。特に、ブランド品や着物など価値があるものは高価買取が期待できるでしょう。また、買取不可になったとしても、形見分けの品によっては慈善団体へ寄付をするのも選択肢の1つです。
4.形見分けを行う際の注意点
ここでは、形見分けを行う際の注意点を解説します。
4-1.目上の人への形見分けは控えて
基本的に、故人よりも目上の人へ形見分けをするのは控えましょう。もともと、形見分けは親のものを子に、姉や兄のものを妹や弟にという形で行うものです。そのため、目上の人に形見分けをするのは失礼という認識がありました。ただ、最近は目上の人にも形見分けをする傾向が見られますが、形見分けのしきたりを意識している方もいるので注意が必要です。目上の人への形見分けは、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
4-2.高価なものに要注意
高価なものを相続人以外の人に形見分けする際は、贈与税に注意が必要です。高価なものを欲する方は多いのですが、贈与税のことをしっかりと踏まえた上で考えましょう。後でトラブルにならないためにも、弁護士など専門家と相談しながら形見分けをするのがおすすめです。
4-3.遺品の包装は不要
形見分けをする際、遺品を丁寧に包装して贈る方がいますが、包装は必要ありません。遺品を包装せずに形見分けするのは、基本的なマナーとなります。形見分けで贈る遺品はプレゼントではないため、かわいい紙で包装したり、箱に入れたりするのはNGです。遺品を相手へ贈る際は、半紙など白い紙で軽く包みましょう。
4-4.受け取る人の気持ちを考える
形見分けは、遺品を受け取る人の気持ちを考えることも注意しておきたいポイントです。相手が不要だと主張しているにもかかわらず、無理に押し付けるのはNG行為となります。受け取る人の趣味嗜好や年齢などを考えた上で、形見分けを進めてください。
4-5.不用品回収・買取ならゼロプラスヘ
形見分け後に手元に残った遺品を、どのように片付ければいいのか分からずに悩むと思います。その場合は、不用品回収と買取を行っているゼロプラスヘご依頼ください。ゼロプラスは、テレビや新聞など多くのメディアに取り上げられるほど、回収・買取の実績があります。遺品整理や遺品の供養、特殊清掃など、幅広いサービスも行っているのでぜひチェックしてください。
5.形見分けに関してよくある質問
形見分けに関する質問を5つピックアップしてみました。
Q.形見分けで気をつけておきたいトラブルは?
A.親族間だけでなく、相続人間でも形見分けに伴うトラブルがよく起きています。形見分けはアクセサリー類など価値があるものも含まれるので、お金が絡むトラブルが多めです。たとえば、故人との関係がよく分からない人から高価な品を要求されたり、形見分けの配分に不満が出たりするなど多岐にわたります。お金に関するトラブルを防ぐためには、高い品を鑑定に回すなど形見分けを行う前の準備を入念に行うのがポイントです。
Q.遺言書がある場合の注意点は?
A.遺言書は法的効力を持っているため、そこに記載されている内容のとおりに形見分けや遺品整理を行う必要があります。「この遺品は誰々に渡す」と故人の遺志が書かれていれば、その遺志を尊重してください。なお、エンディングノートに法的効力はありませんが、遺言書と同じく、故人の希望が記載されているため、尊重するのが礼儀です。
Q.遺産分割と形見分けの違いは?
A.形見分けは財産を分けるというよりも、故人が愛用していたものを親族や友人に分ける意味合いが強く、遺産分割とは大きな違いがあります。ただし、状況によっては、形見分けが遺産分割協議で問題になる可能性もあるので注意が必要です。たとえば、高価なアクセサリーや時計など、財産的な価値が認められる遺品は形見分けの範囲を超えます。遺産分割の対象になるかどうか、しっかりと確認した上で形見分けをしたほうがいいでしょう。
Q.学術的価値のあるコレクションや蔵書はどうすべきか?
A.団体や研究機関などに寄贈するのがベストです。故人の趣味や研究で集めたコレクション・蔵書は、その専門家からすると価値があるものになります。自己判断で処分するよりも、研究機関や団体などに寄贈したほうが役立ててもらえるでしょう。
Q.形見分けに相続税は発生するのか?
A.そもそも、相続税とは、故人の財産総額が基礎控除額を超えた場合に増税される税金のことです。自分にとっては価値がないものでも、税務当局によって経済的価値があると判断されれば相続税が課せられる可能性もあるので注意してください。相続人ではない人が高額品の形見分けを受けた場合は、故人から引き継いだ相続人全員の共有物が贈与されたと考えて、形見分けを受けた人に贈与税が課税される可能性があるでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 形見分けはしっかりと準備を行い、親族同士で確認しながら作業を進めることが大切なポイントです。確認不足によって、形見分けから親族間のトラブルや金銭トラブルへ発展する可能性があります。形見分けのマナーを守って進めていけば、スムーズに終わらせることができるでしょう。なお、形見分けで不要なものは、不用品回収業者に依頼するか買取に出すのがおすすめです。ゼロプラスでは不用品の回収と買取を行っているので、ぜひ一度チェックしてください。