相続税対策のリフォームを知りたい! 絶対外せないポイントを詳しく!

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「リフォームが相続税対策になると聞いたけど、本当だろうか」「相続税対策に効果的なリフォームの方法を知りたい」とお考えではありませんか? 今後、家屋や宅地の相続を控えているのなら、なるべく対策をしておきたいですよね。しかし、実際にどんな制度が相続税対策として利用できるのか、どんな点に気を付けるべきかなど、よく分からないこともあるでしょう。

そこで今回は、相続税対策のリフォームについて詳しく解説します。

  1. リフォームが相続税対策になる理由
  2. 節税対策になるのはどんなリフォーム?
  3. リフォーム資金を生前贈与する方法もある
  4. 二世帯住宅で小規模宅地等の特例が適用される
  5. 相続税対策のリフォームに関するよくある質問

この記事を読むことで、相続税対策に効果が高いリフォーム方法がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.リフォームが相続税対策になる理由

最初に、リフォームが相続税対策になる主な理由について見ていきましょう。

1-1.相続税の基礎控除が大幅に減った

平成27年度より相続税の基礎控除が大幅に減ったため、相続する前にリフォームしておくほうが、節税対策になります。具体的な変更内容は、以下のとおりです。

  • 改正前:5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)
  • 改正後:3,000万円+(600万円×法定相続人数)

今までは、相続後のリフォームで問題なかったケースでも、今回の改正によって対象となり、増税になることがあります。相続税対策のためにも自分たちに不利益がないか確認し、早めのリフォームを検討するべきでしょう。

1-2.リフォーム後も相続税評価額が変わらない

リフォーム後、家屋の相続税評価額が変わらないことも、相続税対策になる理由の一つです。リフォームをすると、家屋の性能がグンと高まります。しかし、相続税評価額は変わらないので、相続税対策をしつつ、子どもに良質な財産として家屋を残すことが可能です。今のうちにリフォームしておくほうが、お得といえるでしょう。

2.節税対策になるのはどんなリフォーム?

節税対策になるのはどんなリフォームなのか、具体的に見ていきましょう。

2-1.投資型リフォーム

節税対策になるリフォームには、以下のような投資型リフォームがあります。投資型リフォームとは、住宅の省エネ化や耐久化など、環境保全に役立ったり暮らしやすくしたりするリフォームのことです。

  • 耐震リフォーム
  • バリアフリーリフォーム
  • 断熱リフォーム
  • 長期優良住宅化リフォーム

投資型リフォームをすると、一定条件を満たした場合に所得税の控除を受けることが可能です。投資型リフォームは、住宅ローンの有無を問わず20~50万円の所得税が控除されます。

2-2.二世帯住宅リフォーム

二世帯住宅リフォームも、節税対策に効果的です。二世帯住宅リフォームは、平成25年および26年の税制改正により、二世帯住宅にも小規模宅地等の特例が適用できるようになりました。そのため、条件に合えば思わぬ減税効果が期待できます。親と同居を考えている人は、早めに着手することがおすすめです。

3.リフォーム資金を生前贈与する方法もある

親からリフォーム資金として生前贈与してもらうと、相続税を減らせることがあります。

3-1.生前贈与で相続税が減らせる

親が元気なうちに家のリフォーム資金を生前贈与してもらうと、相続税を減らすことができます。生前贈与してもらう分相続金額が減るため、相続税の金額も減るからです。また、生前贈与で住宅資金贈与の非課税枠を利用すれば、親が贈与税を支払う必要がなくて一石二鳥といえます。

3-2.住宅資金贈与の非課税枠の利用条件は?

住宅資金贈与の非課税枠を利用するには、以下のような条件があります。条件に当てはまらない場合は、生前贈与の際に贈与税がかかるので気を付けましょう。

  • 生前贈与の目的が住宅の取得もしくは増改築である
  • 父母もしくは祖父母からの生前贈与である
  • 生前贈与を受けた翌年の3月15日まで自宅の新築・購入・増改築をして住み始める

3-3.住宅資金贈与の非課税枠で対象となる工事内容は?

住宅資金贈与の非課税枠を利用するには、以下のような条件を満たした工事である必要があります。

  • 増改築後の床面積が50~240㎡まで
  • 居住用となる部分が家屋の床面積の2分の1以上
  • リフォーム工事が自宅かつ居住する家屋に対して行われ、一定の工事条件を満たす
  • 各種補助金を除いた工事費用が100万円以上

対象となる工事条件には、増改築などのほか、一定の耐震改修工事・一定のバリアフリー改修工事・一定の省エネ改修工事などがあります。また、上記のほかにもさまざまな条件を満たすことが必要です。より詳しい内容は、国税庁の「直系尊属から住宅取得など資金の贈与を受けた場合の非課税」説明ページを参考にしてください。

4.二世帯住宅で小規模宅地等の特例が適用される

二世帯住宅の場合は、小規模宅地等の特例が適用され、節税対策になることもあります。

4-1.小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは、被相続人が自宅や店舗・事務所として使っていた宅地を相続するときに、条件によって最大80%減額できる制度のことです。正式名称は、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」になります。たとえば、宅地の評価額が5,000万円だった場合、小規模宅地等の特例を適用できれば、最大80%の減額で1,000万円になるのでお得です。宅地の評価額が大幅に下がれば相続税も大幅に減額され、場合によってはゼロになることもあります。さらに、小規模宅地等の特例は、被相続人が亡くなってからでも有効な点もメリットといえるでしょう。

4-2.二世帯住宅で小規模宅地の特例を受けるには?

小規模宅地等の特例を受けるには、以下のような適用条件を満たしている必要があります。

  • 同一の建物に二世帯が暮らしている
  • 二世帯住宅の宅地が親の名義
  • 親に対して子どもが家賃を支払っていない
  • 相続税申告期限を過ぎても対象となる二世帯住宅の所有者である

4-3.二世帯住宅では共有登記にすることが大切

宅地の登記が区分登記になっている場合は、被相続人である親が所有していた区分だけに適用となります。そのため、小規模宅地の特例のメリットが小さくなるので注意しましょう。宅地が区分登記になっている場合は、親の生前に親子の共有区分に変更しておくことが必要です。

5.相続税対策のリフォームに関するよくある質問

最後に、相続税対策のリフォームに関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。

Q.確定申告をし忘れたら減税のメリットがなくなる?
A.はい。確定申告することが前提の制度なので、忘れずに手続きしてください。

Q.住宅資金贈与の非課税枠を利用しなくても生前贈与を受けてよい?
A.構いません。しかし、節税効果が薄くなることを理解しておきましょう。生前贈与を受けるメリットは、相続する金額が減ることだけになります。

Q.リフォームのための贈与税は最大いくらまで非課税になる?
A.工事開始日や内容によります。具体的には、以下を参考にしてください。以下は、消費税が10%にて工事を依頼した場合の上限金額です。

  • 平成31年4月1日~令和2年3月31日:省エネ住宅など3,000万円・そのほか2,500万円
  • 令和2年4月1日~令和3年3月31日:省エネ住宅など1,500万円・そのほか1,000万円
  • 令和3年4月1日~令和3年12月31日:省エネ住宅など1,200万円・そのほか700万円

Q.相続税対策のリフォームはどんな業者に依頼するべきか?
A.以下を参考にしてください。

  • 相続税対策のリフォームで詳しい知識がある
  • リフォームで豊富な実績がある
  • 顧客の希望をよく聞いて提案してくれる
  • 見積もりは無料
  • リーズナブルで明確な料金システム
  • 希望の工期に合わせてくれる
  • 顧客からの評判がよい
  • 保証やアフターサービスが充実している

Q.自宅をリフォームする際、同時に行っておくとよいことは?
A.親の生前整理や断捨離です。せっかく自宅をリフォームするのなら、不用品を処分してスッキリさせるとよいでしょう。なお、不用品の処分も専門業者に依頼すると便利です。

まとめ

今回は、相続税対策のリフォームについて詳しく解説しました。平成27年から相続税の非課税限度額が引き下げられたため、生前贈与や各種リフォーム減税・小規模宅地などの特例制度などを意識して対策することが大切です。特に、相続税対策を意識するかしないかで、相続で手にする金額が大きく異なります。まずは、さまざまな減税制度をきちんと理解し、適用範囲内でリフォームすることを考えてみてください。今後も政府が税収入を確保するため、再び相続税の非課税限度額が引き下げられる可能性もあります。せっかくの財産が相続税で目減りしないよう、しっかり対策していきましょう。