終活における断捨離の方法とは? 整理のコツや不用品の処分など解説
人生のエンディングに向けて、事前準備を行う「終活」が各メディアで取り上げられるようになり、「始めてみようかな……」と考えている方も多いのではないでしょうか。終活は、ものへの執着をなくす断捨離と深いかかわりを持っています。中年や高齢者世代だけでなく、若い世代にも広がりつつあるのです。しかし、具体的なやり方が分からないから、といつまで経(た)っても実践できない方が多いでしょう。そこで、本記事では、終活と断捨離の関係・断捨離の方法とすすめ方・不用品の処分方法について説明します。
- 終活と断捨離の基礎知識
- 終活と断捨離の関係について
- 終活における断捨離の方法
- 終活における断捨離のすすめ方
- 終活における断捨離のコツ
- 終活における断捨離の不用品の処分について
- 終活と断捨離に関してよくある質問
この記事を読むことで、終活と断捨離について知ることができ、スムーズに老前整理をすすめることができます。整理をしたいと思っている方は、ぜひチェックしてくださいね。
1.終活と断捨離の基礎知識
終活と断捨離、それぞれどのような意味があるのでしょうか。終活における断捨離をするために、基本的な知識をしっかり身につけることが大切です。それでは、詳しく説明します。
1-1.終活とは
終活は、平成21年に週刊朝日がつくった造語です。人生のエンディングに向けて自分を見つめ直し、今をよりよく自分らしく生きるための活動を指しています。いわゆる、人生の終わりのための活動のことです。主な終活としては、エンディングノートや遺言書の作成・財産分与・身のまわりにあるものの整理(生前整理や老前整理)があります。
1-2.断捨離とは
断捨離は、「断つ」「捨てる」「離れる」の3つの意味を持っています。入ってくる要らないものを断つ・家にずっとある要らないものを捨てる・ものへの執着から離れることです。断捨離をすることで、要らないものを処分し、必要最低限のもので生活することができます。ものへの執着をなくすために必要な考え方です。
1-3.社会背景と流行(りゅうこう)について
終活や断捨離は、社会背景が深く関係しています。現在、日本は少子高齢化がすすみ、近い将来、団塊の世代が介護を受けるようになるのです。そのため、高齢者の間では周囲や家族に迷惑をかけずに、人生を終わるための準備をする方が増えました。子どもが1人だけの家庭が増えていることもあり、子どもへの負担をかけないためにも生きている間に断捨離をする「終活」が流行しています。
1-4.目的と必要性
終活の目的は、充実した老後をすごすことです。葬式・お墓・相続に関する準備を行うことで、老後は安心して生活を送ることができます。また、これらの準備がきちんとできていれば、いつこの世からいなくなっても、残された家族に負担をかけることもありません。断捨離をすることで、身のまわりにあるものを減らし、家族の負担が減るのです。終活と断捨離は、家族のためでもあります。
2.終活と断捨離の関係について
終活と断捨離は、どのような関係にあるのでしょうか。それぞれの違いや類似点・終活における断捨離・生前整理や老前整理について説明します。
2-1.それぞれの違い
終活は自分を見つめ直し、いついなくなっても大丈夫なように人生の終わりを迎えるための準備を行うことです。一方、断捨離は、身のまわりにあるものの整理をして不要なものを減らし、ものへの執着をなくします。これら2つは異なる目的を持っていますが、共通点もあるのです。
2-2.類似点について
終活や老後前にものの整理をする老前整理は、断捨離の1種と考えることができます。不要なものを片付ける(断捨離)をしながら、人生を見つめ直すことも大切です。また、親の遺品整理で頭を悩ませている方が増えています。家族を困らせないためにも、自分のものは自分で処分しなければなりません。終活と断捨離は、家族の負担を減らす点についても共通点があります。
2-3.終活における断捨離とは?
終活における断捨離は、決してネガティブなものではありません。「終活」と聞くと、ネガティブなイメージを持ちがちですが、新たな人生を送るスタート地点です。「終活をしたいけれど、何から始めたら良いのか分からない」と悩んでいる方は、断捨離から始めてみてください。ものがたくさんあるほど、自分がいなくなったときの家族の負担が大きくなります。
2-4.生前整理・老前整理について
生前整理・老前整理は、老後の暮らしを見据えて、元気なうちに身のまわりにあるものを整理するすることです。終活と関係していますが、⽼前整理は自分のため、生前整理は家族のために行います。快適な老後生活を送りたい方は老前整理、家族のことや残りの人生を考えて財産分与・不用品などを処分したい方は生前整理を行うでしょう。
3.終活における断捨離の方法
実際に、終活を始める場合、どのように断捨離をすれば良いのでしょうか。
3-1.いつごろから始めるべきか
一般的に、終活は60代後半~70歳が1つの目安といわれています。40~50代に始める方もいますが、老後といっても10年以上あるので考え方が変わるかもしれません。だいたい、60~70代を目安にして、自分のペースで断捨離を始めてみてください。
3-2.何のためにするのか
終活における断捨離は、自分のためでもあり、家族のためでもあります。たとえば、不用品を大量に残したまま死んでしまうと、残された家族が処分しなければなりません。不用品を捨てるのにもお金がかかり、大切に取っておいてほしいものもゴミとして捨てられる可能性があります。家族の負担を減らし、自分の意志を残すためには、終活の断捨離が必要です。
3-3.具体的に何をするのか
まずは、使っていないものを処分するところから始めてください。身のまわりにあるものを、要らないものと残すものに分けていきます。食器・家電・衣類・家具など、要らないものや使っていないものは思いきって処分しましょう。ものへの執着をなくすためには、思いきりが大切です。
3-4.注意点
コレクションとして集めたものや、写真などの思い出の品も断捨離の対象です。大切なものほど残したい気持ちが強く残りますが、要らないと思えるものがあれば処分してください。増えてしまいがちな年賀状も、1~2年以内のものを除いて処分すると良いでしょう。どうしても、断捨離するのが寂しい場合は、写真でデータ化し残す方法もあります。
4.終活における断捨離のすすめ方
スムーズに終活における断捨離をすすめるためには、ポイントや大事なことを知る必要があります。主な流れとチェックリストについても確認しておきましょう。
4-1.ポイント・大事なこと
自分の意志で処分することが大切なポイントです。思い出の品やアルバムは、最も遺族が処分をためらいがちなものとなります。遺族につらい思いをさせないためにも、終活で断捨離しておきましょう。また、できるだけ、身のまわりのものを減らすことが大切です。あれもこれも、と現在使っていないものを残せば、断捨離にはなりませんよ。基本的に、今使っていないものは処分しましょう。
4-2.主な流れ
現在、持っているものを「要らないもの」と「残すもの」に分類します。家族や親族とつながりがないものから手放していきましょう。断捨離において、ものを捨てるのは「捨」の部分です。
そして、家の中の要らないものを手放すと同時に、入手する要らないものを断ってください。断捨離の「断」は、家の中に持ち込むものを減らすことです。セールや値引きで購入しそうになったときは、本当に必要なものなのか一度考え直しましょう。
また、要らないものを手放すためには、ものへの執着心から離れることが大切です。物欲から距離を置く「離」を実践することで、断捨離が成立します。
4-3.チェックリスト
断捨離で悩んだときは、以下のポイントをチェックしてください。
- いつも使っているか
- 無理して使っていないか
- 特に必要もなく、なんとなく持っているのか
- 「万が一のために」持っているのか
- 収納スペースが確保できるか
- 修理して、いつか使おうと思っているか
- 今の自分に必要なものか
以上のチェックポイントを踏まえながら、「要らないもの」と「残すもの」に分類すると良いでしょう。本当に今の自分に必要なものなのか、しっかり考えて見極めることが大切です。
5.終活における断捨離のコツ
何から処分するのか、捨ててはいけないものや必要なもの、迷ったときのコツ、注意点について説明します。
5-1.何から処分するか
身近にあるものから処分していきましょう。たとえば、衣類・本・CDやDVD・食器・家電・雑貨などです。思い出の品を最初に手に取ってしまうと、手放したくない気持ちが強くなり、先へすすめなくなってしまいます。気軽に手放せるものから処分するのがコツです。
5-2.捨ててはいけないもの・必要なもの
断捨離で捨ててはいけないものは、今必要としているものです。生活に必要なものや、のちのちまで大切に残しておきたいものは、捨てずに保管すると良いでしょう。人によって、必要なものは異なるので、自分にとって何が必要なのか考えてみてください。
5-3.迷ったときにはどうすべきか
処分に迷ったときは、一時保管ボックスを利用すると良いでしょう。ある程度、片付けた後でもう一度自分にとって必要なものか考えてみてください。時間を置くことで冷静になり、慎重に見極めることができます。すぐに決めなければならない必要はありませんよ。
5-4.注意点
一気に片付けようとする方がいますが、終活における断捨離は自分のペースですすめることが大切です。部屋が広く不用品が大量にあると、一気に片付けることができません。逆に、ごちゃごちゃになる可能性があるので、きちんと計画を立ててから断捨離を始めてください。
6.終活における断捨離の不用品の処分について
終活における断捨離は、不用品が大量に出てくるものです。そこで、不用品の処分方法をいくつか紹介します。
6-1.自分でやる方法
自分で処分する方法としては、自治体回収が一般的です。自治体回収は、無料または有料で処分できますが、低費用で済む点がメリットとなります。しかし、ゴミの種類ごとに分類しなければならない・回収日が決まっている・回収指定場所まで運ばなければならないなどデメリットもあるため、注意が必要です。また、自治体によって、ゴミの分類や処分ルールが異なるので、事前にホームページなどでチェックしておきましょう。
6-2.知人などに譲る
大切なものやまだ使えるものは、知人・友人に譲るのも方法の1つです。持っておいてほしい人に譲ることで、老後の生活も楽になるでしょう。譲る相手がいない場合は、寄付をしたり、自治体で開催されるフリーマーケットなどを利用する選択肢もありますよ。
6-3.リサイクルショップなどに売る
壊れていない新品状態に近いものであれば、リサイクルショップで売れる可能性があります。売れるものは売ったほうが、処分費用を抑えることができるのでおすすめです。ただし、リサイクルショップによって、買い取り額が異なります。中には、価格がつかない場合もあり、壊れているものや古いものは買い取り不可となるところがほとんどです。買値がつかないものは、家に持ち帰らなければなりません。
6-4.遺品整理業者に依頼する
不用品が大量にある・回収と買い取りを同時に利用したい・運搬や搬出が難しいという方は、遺品整理業者への依頼がおすすめです。遺品整理業者は、不用品処理や片付けのプロなので、よりスピーディーな対応ができます。回収日まで待つ必要がなく、大量の不用品も一気に処分できるでしょう。運搬の必要もないため、手間と時間がかかりません。
6-4-1.業者選びのポイント
業者選びで悩んだときは、以下のポイントに注目してください。
- 不用品回収・買い取りを行っている
- 丁寧でスピーディーな対応
- 生前・遺品整理の実績や経験がある
- 低価格で処分できる
- 無料見積もり・無料相談が利用できる
- 古物商・産業廃棄物収集運搬の許可を取得している
6-4-2.注意点
「回収後に追加料金を請求された」「見積もり内容と違う料金を請求された」など、業者との間でトラブルが多発しています。不正を働く業者も存在しているため、慎重に選ばなければなりません。複数の業者の見積もりやサービス内容・スタッフの対応などを比較すると良いでしょう。
7.終活における断捨離に関してよくある質問
終活における断捨離に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
7-1.断捨離すべき身のまわりのものとは?
日常生活で使っているものから、押し入れの奥に置いているものまで、すべてが対象です。室内ばかりだけでなく、玄関やベランダ・お庭にも目を向けてくださいね。雨ざらしになっている植木鉢や傘・靴、放置されている雑誌や新聞紙など不要なものはたくさんあります。
7-2.「プチ終活」って何?
毎日少しずつ断捨離することを、プチ終活と呼ぶことがあります。日常で掃除をするときに、要らないものがあれば捨てていきましょう。少しずつ減らすことも、終活へつながります。さらに、環境がスッキリするので、メンタル面にも良い影響が期待できるでしょう。
7-3.終活における断捨離は、やりすぎたらいけないのか?
やりすぎは、逆効果となるので気をつけてください。何でも捨てて良いというわけではなく、預金通帳や証券類・不動産関連の書類などはきちんと保管しておかなければなりません。不要だから、と処分したことで、遺族が苦労するというケースもあります。
7-4.処分費用を抑えるポイントとは?
まだ、使える家具や家電などは、買い取ってもらえる可能性があります。売れるものは売って、売れなかったものは処分にまわしていきましょう。そうすれば、処分費用を抑えることができます。また、不用品回収と買い取り・遺品整理を行っている「ゼロプラス」では、お得な詰み放題パックも利用可能です。ぜひ1度相談してみてはいかがでしょうか。
7-5.業者に依頼する場合、自分でゴミの分類をしなければならないのか?
中には、ゴミの分類をお願いするところもありますが、業者が担当してくれるところもあります。「ゼロプラス」は、ゴミの分類から片付け・搬出・処分まですべてを行うのでご安心ください。心配な方は、無料見積もりの際に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたか? 終活における断捨離は、自分のためでもあり、家族のためでもあります。大量の不用品を残したまま死ぬことになれば、家族が処分しなければなりません。不用品の仕分けや処分は、大変な作業です。また、生きている間に身のまわりのものを整理・処分しておけば、老後の生活も楽になるでしょう。自分のペースで断捨離することが大切なので、できることから始めてみてくださいね。