老人ホームの入居準備で必要なものは? 持ち物もしっかりチェック!
介護が必要な高齢者が、自宅での生活が難しくなると頼りになるのが老人ホームです。体に異変が起きても24時間対応してくれる老人ホームであれば、高齢者もご家族も安心できるでしょう。けれども、入居時に何を持っていけばいいか迷ってしまう方は多いはずです。老人ホームへの入居手続きをはじめ、準備すべきものはたくさんあります。
そこで、本記事では、老人ホームの入居準備で必要なものなどを解説しましょう。
この記事を読むことで、老人ホームの入居準備や生前整理などが分かります。気になっている方はぜひチェックしてください。
1.老人ホームの入居で準備するもの
老人ホームでの暮らしで必要なものは一体何でしょうか? ほとんどの老人ホームでは、基本的な家具(タンス、ベッド、椅子など)がそろっています。最初に、老人ホームへの入居時に必ず用意してほしいものを解説しましょう。
1-1.衣類やタオル
衣類とタオルは、最低1週間分が必要な目安となっています。高齢者や認知症が発症している場合は、食べ物をこぼしてしまう場合があるので多めに用意しておくといいでしょう。なお、洗濯は施設専用の業者に依頼したり、家族が定期的に洗濯したりすることも可能です。ただ、老人ホームの暖房設備によっては、ひざ掛けやストールを用意したほうがいいケースもあります。また、タンスの大きさ・ハンガーの数などで衣類の数を調節するのも大切なポイントです。
必要なものの目安
- 下着:上下7枚
- 靴下:7組
- パジャマ:3組
- トップスとズボン:上下7組
- 上着(カーディガンなど):3枚
- 外出用の服:2枚
- バスタオル:7枚
- フェイスタオル:10枚
- タオルケット:1枚
- スリッパ:1組
1-2.洗面道具
老人ホームでは、洗面道具は基本的に入居者が用意します。そのため、普段使っているものを持参しましょう。わざわざ新しいものを用意することなく、使い慣れているものがベストです。洗面道具は、必要に応じて買い足してください。
- 洗面道具(歯ブラシ・歯磨き粉・コップ・洗面器)
- 入れ歯関連道具(洗浄剤・専用コップ)
- 入浴道具(シャンプー・リンス・石けん)
- 耳かき(綿棒)
- 爪切り
- くし・鏡
1-3.食事に必要なもの
老人ホームでの食事では、お茶碗や箸など、できるだけ入居者が使い慣れたものを用意しましょう。
- 箸やフォーク・スプーン:2組ずつ
- お茶碗・お椀:2組ずつ
- コップ:2組
- 爪楊枝(普段使っている場合)
実際に入居してから、スタッフに食事の様子を窺って、必要なものを用意するようにしてください。また、高齢になるにつれ、食事しやすい形状のものに変える必要があります。
1-4.そのほか、必要なもの
老人ホームでは特に指定はありませんが、家での生活と同じ環境にするため、個人の生活レベルを維持するものを用意してください。たとえば、以下のとおりです。
- 時計
- 筆記用具
- カレンダー
- クッションや座布団
- 化粧品
- 保険証やお薬手帳
- ティッシュペーパー
- オムツ
- 杖
- 老眼鏡
1-5.あれば役立つもの
老人ホームで役立つものをいくつか紹介します。
1-5-1.プラスチック製の食器やエプロンなど
食器はプラスチック製であれば、割れる心配がなく安心です。スプーンやフォークなど、なるべくプラスチック製のものを用意してください。それぞれ予備があれば、落としたときにすぐに取り替えられるので便利です。コップは、太めのストロー付きのものであれば、スムーズに飲むことができます。さらに、フタ付きコップなら倒したときにこぼれなくて安心です。
また、食べ物をこぼすようになると、服を汚してしまいます。そこで、エプロンがあると役に立つでしょう。エプロンはタオル生地・ナイロン製などがありますが、使いやすいものを選んでください。
1-5-2.クッション
クッションは床ずれ防止になり、足元に置くことで疲れを取ることもできます。普段の生活でクッションを使っている場合は、老人ホームにも持参するといいでしょう。また、老人ホームによって、必要とされる持ち物はリスト化されています。入居者の様子によっては、必要とされるものを指示されるケースもあるので、老人ホームのスタッフからアドバイスを受けるのもいいでしょう。
2.老人ホーム入居時にすべきこと
老人ホームに持ち運べるものは限られているため、老人ホームに持ち込めるもの以外は片付けなければなりません。特に、大きな家具などは持ち込みができないので、老人ホームへ入居する機会に処分することが大切です。
2-1.家財道具を片付ける
老人ホームの入居が決まったときは、家にある家財道具をどうするか決めなければなりません。老人ホームに持ち込めないものは処分するケースがほとんどですが、本人が取っておきたいものもあるはずです。代わりに家族が片付ける場合は、本人に許可を得てから処分してください。家財道具を取っておきたい場合は、家族が預かるかトランクルームなどの利用が考えられます。家族と本人が話し合い、家財道具の片付けを進めていきましょう。
2-2.住所変更の手続き
住んでいた家を手放し老人ホームに入居する場合、住所変更が必要です。老人ホームの多くが、住民票異動手続きを求めています。それまでと違う地域に移った場合、住居変更をしなければ介護保険の関係や行政サービスの内容が大きく異なるからです。自治体サービスは各市町村で違いがあるため、老人ホームの入居前にしっかりと確認しておかなければなりません。
2-3.ご近所には挨拶を
引っ越すことで住んでいた家が空き家になったり、違う人が住むことになったりした場合は、ご近所に挨拶をしておいたほうがいいでしょう。連絡先も伝えず、急にいなくなってしまえば、ご近所の中には心配する人が出てくるからです。一言伝えておいたほうが、ご近所も安心して生活できます。
3.老人ホーム入居準備と生前整理
老人ホームに入居する際には、施設に持ち込めるもの以外は処分することになります。そのため、この機会に生前整理をしたほうがいいでしょう。生前整理とは、生きているうちに自分で財産関係を整理するものです。家族と同居、別居を問わず、自分はこうしたいと意思を表すことができます。生前整理の進め方は、以下を参考にしてください。
3-1.財産目録を作る
健康保険や年金手帳の書類はもちろんですが、預金通帳や印鑑・生命保険の証書・有価証券・不動産権利証などのすべての財産を確認します。離れて住んでいた場合、勝手に保険に入っていた・有価証券が増えていたというケースもあるので、確認しましょう。
3-2.所有物の仕分け
老人ホームに持ち込むものは限定されます。そこで、家に残すものにしても、誰かに譲るもの・捨てるもの・今はどうするか決められないものに仕分けることが大切です。捨てるものはそのまま処分しますが、まとめて処分したい方は不用品回収業者に依頼したほうがいいでしょう。大量の不用品を自分で分類したり、自治体回収で処分したりすることは大変です。不用品回収業者であれば、ブランドものや高価なものは買い取ってもらえる可能性もあります。
3-3.不動産の整理
不動産を所有している場合は、将来の相続財産として残しておくか、親族に生前贈与するか決めてください。いずれにしても、手続きが必要なので、どうしたらいいかを家族や弁護士に確認しておくといいでしょう。
3-4.デジタル関連機器の整理
パソコンやスマートフォンなどデジタル機器にデータがある場合は、この機に整理しておくといいでしょう。必要ないものはデータを完全消去してください。また、今後のために、SNSやアプリなどのID・ログインパスワードを家族に伝えておくと安心できます。
3-5.エンディングノートの作成
生前整理において、エンディングノートはとても役立ちます。エンディングノートとは、万が一に備えて自分の要望を書き記すものです。財産目録や葬儀の希望・知人の連絡先などを記すことで、自分がいなくなったとき、ノートを通して自分の希望を家族へ伝えられます。
4.片付け業者に依頼するメリット
ここでは、片付け業者に依頼するメリットを解説します。
4-1.自分の代わりに整理してくれる
片付け業者に依頼する大きなメリットは、自分の代わりに所有物を整理してくれることです。高齢者は体力・気力が低下しているため、所有物を整理したり処分したりすることは困難でしょう。そこで、無理をして体を壊してしまう恐れがあります。自分で所有物を整理するのはちょっと難しい……と思っている方は、片付け業者に依頼してください。中には、不用品の処分や買取を行っているところもあります。
4-2.生前整理サービスを行っているところも
片付け業者の中には、生前整理サービスを行っているところがあります。なぜ生前整理を行う必要があるのか、生前整理で必要なポイントや事例なども詳しく教えてくれるので、安心して生前整理を進めることができるでしょう。ゼロプラスでは、生前整理のほか、不用品の回収や買取サービスも行っているのでぜひチェックしてください。
5.老人ホームの入居準備に関してよくある質問
老人ホームの入居準備に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.老人ホームで意外と使わないものは?
A.老人ホームに持ち込みたいものにラジオや小型テレビがありますが、音が出るものは同室の利用者とトラブルの原因になることがあるので要注意です。個室なら問題ありませんが、できるだけ、周囲の迷惑にかからないように音量を意識しましょう。
また、女性の場合、おしゃれ着を大量に持参する方がいます。けれども、実際に着る機会が少ないケースが多いため、必要最低限の衣類だけ持参したほうがいいでしょう。高齢になるほど体の自由が利かなくなるため、ボタンではなくファスナーといった着やすいタイプの衣類がおすすめです。
Q.老人ホームの入居時に、持ち込んではいけないものはあるのか?
A.ほとんどの老人ホームでは、以下のものを禁止しています。
- 火気(ライターなど)や危険物(はさみやカッター・裁縫針など)
- 嗜好品
- 植物
- ペット
上記以外にも、それぞれの老人ホームで持ち込み禁止のものがありますので、入居前に必ず確認してください。
Q.隣町の老人ホームへの入居が決まったが、介護保険などはどうなるのか?
A.老人ホーム入居は介護保険を伴うことが多いので、お住まいのケアマネージャーから引き継ぎ書類をもらってください。場合によっては、自分の代わりに手続きをすべて行ってくれることもあります。特に、引っ越し先の自治体サービスなどはしっかりと確認することが必要です。また、スムーズにやり取りをするためにも、引っ越し先のケアマネージャーとは今後のことをじっくり話し合ったほうがいいでしょう。老人ホームに入居した後もケアマネージャーとの付き合いは続くので、コミュニケーションは取っておいたほうが安心です。
Q.老人ホームへの入居が決まったら、すぐに引っ越ししたほうがいいのか?
A.1人暮らしをしている場合、老人ホームの入居が決まったら引っ越しの方法などをしっかり検討する必要があります。特に、賃貸物件の場合は、退去しなければ家賃が発生することになるので注意してください。持ち家の場合は、家族の中に住んでくれる人はいるのか、いない場合はどうするのかを決めなければなりません。
Q.片付け業者選びのポイントは?
A.どの片付け業者に依頼すればいいのか分からない方は、以下のポイントを参考にしてください。
- 片付けサービスや生前整理などの実績があるか
- 不用品の回収や買取も行っているか
- スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
- 見積書の内容が具体的に記載されているか
- 口コミや評判がいいか
ゼロプラスでは無料相談を受け付けています。不用品の処分などでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
老人ホームの入居準備は、やるべきことがたくさんあります。慌てて入居し失敗しないためにも、時間には余裕をもって準備してください。また、老人ホームへ入居する際は、できるだけ、今まで住んでいた環境と変わらないようにすることが理想です。けれども、個人スペースは限られていますので、必要最低限のものを持参しましょう。そして、入居後に必要なものを買い足してください。