遺品整理に多いトラブル事例を紹介!予防法や対処法は?
「トラブルなく遺品整理を終えたい」という気持ち、よく分かります。遺品整理は、遺族の大切な役割です。家族が亡くなった悲しみを乗り越え、前向きな気持ちになるためにも、しっかりと行いたい作業といえるでしょう。しかし、遺品整理におけるトラブルは数多く報告されているのが現状です。親族間のトラブルや業者とのトラブルを防ぐためには、一体どうすればよいのでしょうか。
この記事では、遺品整理のトラブル事例やトラブルを防ぐポイントなどをまとめてご紹介します。
この記事を読むことで、遺品整理でよくあるトラブルや、トラブルに巻き込まれたときにどうすべきかなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.遺品整理のトラブル事例を紹介
まずは、親族や業者とのトラブル事例をご紹介しましょう。
1-1.家族・親族間のトラブル
遺品整理をめぐる家族・親族間のトラブル事例には、以下のようなものがあります。
1-1-1.遺品を勝手に処分してしまった
ほかの家族や親族に相談せず勝手に遺品整理を始めてしまったことで、トラブルに発展するケースは少なくありません。「遺品の価値が分からず高価なものを処分してしまった」「形見分けを希望していた親族がいたのにほかの人に譲ってしまった」という例も多いでしょう。
1-1-2.誰が遺品整理を行うかでもめた
遺品整理には大変な労力と時間が必要です。整理する遺族にとっては大きな負担になる場合もあるでしょう。「誰が遺品整理を行うのか」「遺品整理にかかる費用はどうするのか」などのトラブルが発生することも珍しくありません。特に、遠方に住んでいる家族・親族が多い場合に、このようなトラブルが起こりがちです。
1-2.遺品整理業者とのトラブル
遺品整理を専門業者に依頼した場合も、以下のようなトラブルが発生するケースがあります。
1-2-1.高額な料金を請求された
事前に提示された見積書とは異なる高額な料金を請求され、トラブルに発展したケースは非常に多くなっています。「思ったより遺品の量が多かった」「処分が困難な遺品があった」など、適当な理由をつけて追加費用を請求されてしまうのです。遺品整理を業者に依頼した場合の費用相場を把握していない人が多いのも、このようなトラブルが起こる原因の一つでしょう。
1-2-2.遺品を勝手に処分された
大切な遺品を勝手に処分されてしまった例も少なくありません。遺品整理に関するノウハウが乏しい業者に依頼すると、このようなトラブルが発生しがちです。本の間にはさまっていた通帳や重要な書類などを見逃し、処分されてしまうと大変なことになります。
1-2-3.回収した遺品を不法投棄された
回収した遺品を不法投棄するのは、間違いなく悪徳業者の手法でしょう。適切に処分するには費用がかかるため、費用を節約するために不法投棄するのです。不法投棄が見つかった場合、業者へ依頼した人も罰則の対象になります。
1-2-4.現金や貴重品を盗まれた
悪質な遺品整理業者により、現金や貴重品を盗まれた例も報告されています。売却可能な骨とう品などを盗まれ、転売されたケースも多いのです。遺族がすべての遺品を把握していることは少ないため、このような被害が起こりやすくなります。
2.遺品整理のトラブルを防ぐには?
遺品整理のトラブルを防ぐためのポイントをご紹介しましょう。
2-1.家族や親族としっかり話し合いをしておく
家族や親族とのトラブルを予防するためには、事前にしっかり話し合いをしておくことが大切です。四十九日法要などで親族が集まったときなどに、いつ誰が遺品整理をするのか・費用はどうするのか・どの遺品をどのように処理するのかを決めておくとよいでしょう。形見分けを希望するものはないか・遺品整理を業者に依頼すべきかなども確認しておいてください。そうすることで、後になってもめ事が起こることはなくなるでしょう。
2-2.業者選びのポイントを知っておく
業者とのトラブルを予防するには、業者選びをしっかりと行うことが最も大切です。悪徳業者とのトラブルに巻き込まれないよう、以下のポイントを参考に業者選びをするとよいでしょう。
- 豊富な実績があるか
- 無料見積もりを受け付けているか
- 一般廃棄物収集運搬業や古物商の許可を得ているか
- 料金体系は分かりやすいか
- 見積書に詳細な記載があるか
- 遺品整理士が在籍しているか
- 遺品を丁寧に扱っているか
2-3.費用を比較して相場を把握しておく
遺品整理を業者に依頼した場合の費用相場を把握しておくことも、トラブルの予防につながります。遺品整理業者の数は年々増加していますが、料金体系は業者によってまちまちです。一般的には「相場を知らない」という人も多いでしょう。事前に複数の業者に無料見積もりを依頼し、その結果を比較することで大まかな相場を把握しておくことをおすすめします。
3.トラブルに巻き込まれたときの対処法
遺品整理のトラブルに巻き込まれたときの対処法をご紹介しましょう。
3-1.業者と話し合いをする
もちろん、業者と直接話し合って解決するのが一番でしょう。しかし、相手が悪徳業者の場合は、まともな話し合いができる可能性はほぼありません。「問題が発覚したときには業者と連絡がとれなくなっていた」というケースも多いのです。直接の話し合いが難しい場合は、第三者機関や専門家に相談するしかないでしょう。
3-2.第三者機関に相談する
この場合の第三者機関には、国民生活センターや消費者庁などがあります。また、遺品整理士の資格を所有している業者とのトラブルの場合は、遺品整理士認定協会に相談するとよいでしょう。遺品整理業者とのトラブルに関する相談が数多く寄せられている機関なので、何らかのアドバイスをもらえるはずです。
3-3.弁護士や行政書士に相談する
行政書士や、最終手段として弁護士に相談する方法もあります。有利な形でトラブル解決に導いてくれる可能性が高いでしょう。ただし、高額な費用がかかることが予想されます。「だまし取られたお金を取り戻したい」という理由で弁護士に依頼したところ、弁護士費用のほうが高くなってしまった、というケースもあるのです。よく考えた上で依頼を検討しましょう。
4.遺品整理のトラブルに関するよくある質問
「遺品整理のトラブルについて知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.遺品整理はいつごろから始めるべきでしょうか?
A.決まりがあるわけではないため、賃貸物件の明け渡し期限が迫っているなどの理由がない限り、いつ始めても問題ありません。四十九日法要など、親族が集まるタイミングで遺品整理をする人が多いでしょう。
Q.遺品整理を業者に依頼するメリットを教えてください。
A.労力や時間をかけずに済む・遠方に住んでいても通う必要がない・短時間で完了する・大切な遺品を誤って処分せずに済む、などがメリットでしょう。
Q.2LDKの家だと、遺品整理を業者に依頼した場合の費用はどのくらいかかりますか?
A.遺品の量や分別作業の程度などにもよりますが、90,000~420,000円前後が相場です。
Q.悪質な遺品整理業者は全体の何%くらい存在するのでしょうか?
A.全体の5~6%程度が悪質業者といわれています。
Q.遺品整理業者が作業している間は、立ち会ったほうがよいでしょうか?
A.遺品の扱い方をチェックしたり盗難を防止したりするためにも、立ち会いをおすすめします。
まとめ
遺品整理で多いトラブル事例やトラブルを防止する方法などを詳しくご紹介しました。遺品整理では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。トラブルに巻き込まれずスムーズに遺品整理を終えるために、事前にやっておくべきことや相談先などを知っておくとよいでしょう。ぜひこの記事を参考に、悔いの残らない遺品整理をしてください。