孤独死の現場を清掃するには? 注意点や業者選びのコツを徹底解説
「孤独死の現場はどう清掃すればいいのか」「業者に依頼するといくらかかるのか」など、孤独死の現場を清掃する方法で悩んでいる方は多いでしょう。
孤独死の清掃は、素人にはできない特殊な掃除方法となっています。なかなか落ちない汚れをキレイにしたり、部屋に染み込んだ臭いを取り除いたりするためには、プロに任せるのが1番です。
そこで、本記事では、孤独死の現場を清掃する際に押さえておきたいポイントを解説します。
この記事を読むことで、孤独死が発生した際の対応や業者選びのコツなども分かります。悩んでいる方はぜひチェックしてください。
1.孤独死が発生した際の対応
孤独死が発生した場合、どのように対応すればいいのでしょうか。
1-1.孤独死が発見されるケース
そもそも、孤独死はどのようなケースに発見されることが多いのでしょうか。ケースは本当にさまざまですが、最も多いのは亡くなった人の遺体から漂う腐敗臭です。
近所の人が異様な臭いに気づき、その臭いを辿ったところ、孤独死を発見したというケースがたくさんあります。また、連絡が取れなくなった親族が家を訪れて、孤独死を見つけるケースもよくあるようです。
1-2.死亡が判断できないときは救急車を呼ぶ
孤独死と思われる状況でも、自分で亡くなっているかどうか判断できないケースがあると思います。そんなときは、すぐに救急車を呼んでください。
自分で生死を確認しようと体に触る方がいますが、事件性があると判断された場合、自分の指紋が遺体の体についてしまうのでややこしい状況になってしまいます。そのような状態にならないためにも、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。
1-3.明らかに亡くなっている場合は警察に連絡する
腐敗臭が漂っているなど、明らかに死亡が判断できる状況であれば、警察に連絡しましょう。病気なのか、事件による死亡なのか素人では判断できないので、警察に調べてもらわなければなりません。
警察が来て、遺体の調査が終わるまでは不審死の扱いになります。基本的に、警察がやって来るまで現場のものに手を触れてはいけません。また、大家が発見者の場合は、家族や保証人などに連絡して今後のことを話し合う必要があります。
1-4.遺族に遺体を渡す
検死によって遺体の身元が判明すれば、すぐに死体検案書と遺体を遺族に渡します。けれども、孤独死の場合は親族が見つからないケースが多く、親族に連絡しても引き取りを拒否されることもあるでしょう。
遺体を引き取る遺族がいない場合は、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」によって、自治体が火葬を引き受けることになります。また、遺骨も引き取り手がいない場合は、無縁塚という場所に埋葬されるでしょう。
1-5.部屋の原状回復
孤独死が発見された部屋は、血や体液が床・壁などに染み付いている可能性があるため、原状回復がとても大変です。けれども、大家や管理会社にとっては、いつまでも空き家にしておくことはできません。
遺体を引き取ってもらったら、部屋を元どおりにする必要があります。そこで、登場するのが特殊清掃です。特殊清掃では、普通の掃除では落とせない汚れや臭いを、特殊な洗剤や機器を使って取り除く清掃となります。
2.孤独死の現場を清掃するには?
ここでは、孤独死の現場を清掃する方法について説明します。
2-1.個人でやらないほうがいい理由
まずは、個人でやらないほうがいい理由をチェックしておきましょう。
2-1-1.感染症になるリスク
孤独死の現場は、血や体液が床に染み付いているケースがほとんどです。孤独死からある程度日数が経過している場合は、それが乾いてしまい、固まってしまっていることもあります。
たとえ、体液や血が乾いていたとしても、そこには無数の病原菌が存在しているのです。何も知らずに触れてしまうと、そこから病原菌に感染してしまう可能性があります。結核菌・HIV感染など、とても危険な病原菌に感染する恐れもあるため、十分に注意しておかなければなりません。
2-1-2.強烈な死臭
孤独死した遺体からは、強烈な臭いが発生しています。死臭だけでなく、部屋の中の汚れから発生した臭いも混同し、強烈な臭いになってしまっているのです。普通に掃除をしても完全に取り除ける臭いではありません。
また、悪臭が漂っている中で掃除をしていると、気分が悪くなってしまいます。体に悪影響を及ぼすほどの強烈な臭いだからこそ、専門業者による特殊清掃が必要です。
2-1-3.ウジ・ハエの退治は難しい
孤独死を発見した際、遺体にウジがわいていたり、ハエが飛び回っていたりしている場合があります。これらの害虫は、素人では簡単に退治できません。
そこで、害虫を外へ逃がすために窓を開けてしまうと、害虫だけでなく、強烈な悪臭も拡散されてしまいます。そこから、近所トラブルに発展する可能性もあるため、ウジ・ハエといった害虫駆除は専門業者に任せたほうが安心です。
2-2.専用の薬剤・清掃機器で掃除する
では、プロの業者が行う特殊清掃は一体どのような内容なのでしょうか。特殊清掃の基本は、専用の薬剤を使って清掃機器で掃除する方法です。孤独死が起きた部屋は体液や血液による汚れと死臭が強烈なので、通常の洗剤や清掃方法では対処しきれません。
そこで、特殊清掃業者は血液や体液をキレイにできる専用の薬剤を使って清掃器具を駆使しながら清掃を行います。素人では使えない薬剤と機器を使うからこそ、素人ではできない汚れが除去できるのです。
2-3.清掃ノウハウと消臭技術
特殊清掃を行っている業者は、清掃ノウハウと消臭技術を持っています。特殊清掃の実績がある業者ほど、よりスピーディーに掃除できるのです。
なお、床に染み付いた体液や血液は、床下まで範囲を広げ、清掃・消毒します。孤独死の現場が風呂場の場合、配管も清掃したり、水質検査を行ったりするでしょう。このように、孤独死の現場を清掃するためには、さまざまな技術が必要になります。
2-4.害虫駆除
前述したように、孤独死が発生している部屋にはウジ・ハエ・ゴキブリといった害虫が大量発生しています。そのため、害虫駆除も特殊清掃に含まれている業者がほとんどです。業者によって害虫駆除のやり方に違いがあるので、事前に確認したほうがいいでしょう。
2-5.特殊清掃以外のサービスも
特殊清掃を行っている業者の中には、現状復帰工事や遺品整理・不用品の処分などさまざまなサービスを展開しているところがあります。孤独死した部屋を一刻も早く片付けたい方にとっては、サービス内容が充実している業者へ依頼したほうがいいでしょう。特殊清掃以外にも、どのようなサービスが利用できるのかチェックしてみてください。
3.孤独死の清掃を依頼する際のポイント
孤独死の清掃を依頼する際、押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
3-1.特殊清掃の実績があるか
スムーズに原状回復を行うためには、できるだけ、特殊清掃の実績がある業者に依頼することが大切です。ホームページでこれまでの実績を確認したり、事例が掲載されていないかチェックしたりするといいでしょう。
「お客様の声」として、実際に利用した人の感想が掲載されていることもあるので、業者のホームページを確認してください。
3-2.遺品整理のサービスを行っているか
孤独死の特殊清掃を行っている業者の中には、遺品整理サービスも受け付けているところがあります。親族がいない場合、大家または管理会社が原状回復のために遺品整理を行わなければなりません。
その際、特殊清掃とまとめて遺品整理を行ってくれる業者なら、スピーディーに終わらせることができるでしょう。業者を選ぶ際は、遺品整理も行っているか確認してください。
3-3.サービス内容が明確になっているか
業者のホームページを確認する際、サービス内容が明確になっているかチェックしてください。悪質な業者は、サービスについてハッキリ記載されていなかったり、質問をしても答えてくれなかったりする特徴があります。
どのような方法で孤独死の特殊清掃を行うか、遺品整理はどこからどこまでしてくれるのかなど、サービス内容はチェックしておきたいポイントです。
3-4.見積書の内容が具体的に記載されているか
見積書の内容が具体的に記載されているかも、業者選びで押さえておきたいポイントです。悪質な業者の場合、見積書の内容が大ざっぱになっていたり、金額もハッキリとしていなかったりすることがあります。
どのような作業にいくらかかるのか、具体的に把握することが大切です。また、部屋の状態によっては追加費用が発生するケースもあるため、その点も事前に確認しておいたほうがいいでしょう。
3-5.スタッフの対応が丁寧でスピーディーか
業者選びにおいて、スタッフの対応も重要なポイントです。電話でも、スタッフがどのような対応をしてくれるかチェックしておきましょう。
どんな質問にも分かりやすく丁寧に答えてくれるスタッフなら、安心して任せることができます。逆に、態度が横柄だったり、具体的に説明してくれなかったりする業者は要注意です。
3-6.特殊清掃・遺品整理ならゼロプラスへ
どの業者に依頼すればいいか迷っている方は、愛知県・静岡県を中心に特殊清掃や遺品整理などさまざまなサービスを展開しているゼロプラスへご相談ください。
遺品整理・不用品回収・ゴミ屋敷の片付けなど、あらゆる状況に対応できます。365日年中無休で、追加料金は一切ありません。無料相談と無料見積もりも受け付けているので、ぜひ一度ご相談ください。
4.孤独死と清掃に関してよくある質問
孤独死と清掃に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。
Q.特殊清掃とハウスクリーニングの違いは?
A.明確な線引きはありませんが、作業内容に大きな違いがあります。ハウスクリーニングは、家の中をまるごとキレイに掃除してくれるサービスのことです。たとえば、散らかっている部屋を片付けたり、汚れを除去したり、ゴミを捨てたりします。一方、特殊清掃は、通常のハウスクリーニングでは落ちない汚れを専門に清掃するサービスのことです。孤独死・殺人現場・火災現場など特殊な部屋をキレイにします。
Q.孤独死の現場でやってはいけないことは?
A.パニックになることです。そのまま誤って、部屋にあるものに触れてしまうこともあるでしょう。そこで、慌てて遺体に触ったり、部屋の中にあるものを手に取ったりしないように気をつけてください。
Q.事件現場特殊清掃士とは?
A.特殊清掃に関する専門的な知識を持っている人のことです。孤独死は年々増加傾向にあり、特殊清掃を行う業者のニーズが高まってきています。けれども、需要が高まると同時に、悪質な業者とのトラブルも増えているのです。このような状態を改善するために、適正価格で安全に作業を行うことを任されているのが事件現場特殊清掃士といった専門家といえます。そのため、業者を選ぶ際は、事件現場特殊清掃士が在籍しているところに依頼するといいでしょう。
Q.特殊清掃の費用は誰が負担するのか?
A.基本的に、保証人や親族が負担することになります。けれども、親族がいない・孤独死した本人が賃貸住宅で暮らしていた場合、保証会社などで調整することになるでしょう。
Q.悪徳業者の手口とは?
A.よくある悪徳業者の手口は以下のとおりです。
- 原状回復ができていない
- 見積書にはない料金を請求された
- ホームページに記載されていた内容と違った
- 見積もりを取っただけなのに、無理やり契約させられた
このような悪質業者に引っかからないためにも、業者は慎重に選びましょう。複数の業者に見積もりを依頼し比較することで、悪徳業者が見極めやすくなります。
まとめ
孤独死を発見した際は慌てずに、救急車と警察を呼びましょう。自分で遺体を調べたり、部屋の中にあるものに触れたりしてはいけません。警察による検死が終わるまで、不審死扱いになるので何も触れないようにしてください。
また、孤独死の現場は、悪臭や害虫が発生しているため、特殊清掃が必要になります。素人では落とせない汚れや体液が染み付いていることもあるので、プロに依頼したほうがいいでしょう。